AirDrop(エアドロップ)痴漢とは? その対処法と予防策3選

AirDrop痴漢と呼ばれる迷惑行為の実態と、それを未然に防ぐための対策について解説します。

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電車の中などでiPhoneを触っていると、画面に突然ひわいな画像が表示されたという被害を耳にしたことはないでしょうか?このように、見ず知らずの人に突然不快な画像などを送る迷惑な行為をAirDrop(エアドロップ)痴漢といいます。

AirDrop痴漢は通常の痴漢とは異なり、直接相手の体に触れるわけではなく、誰が痴漢行為を行ったのか特定することが容易ではないため、被害に遭ってもどう対処したら良いか分からず、1人で抱え込んでしまう傾向があります。また、自分がAirDrop痴漢の被害に遭う可能性あることを不安に感じている方もいらっしゃいます。

AirDrop痴漢は特徴を知れば適切に対処することが可能であるため、被害に遭った時の対処法と被害を未然に防ぐための予防策について解説します。

1.iPhoneユーザーの間で広がるAirDrop痴漢

iPhoneが広く普及するのに伴って、AirDrop痴漢(エアドロップ痴漢)という従来の痴漢とは異なる痴漢行為が増加しています。この痴漢行為に対処する術を身に付けるためにも、AirDropとはどういったものであり、エアドロップ痴漢とはどのような行為であるかを理解しておきましょう。

1-1.AirDrop(エアドロップ)とは

AirDrop(エアドロップ)とはiPhoneに搭載されている機能で、近くにいるiPhoneユーザー同士で無線を使うことで手軽に画像や動画を共有することができます。

メールやSNSを使わなくてもファイルの共有が可能であるため、非常に便利な機能です。

1-2.AirDrop痴漢とは

AirDrop(エアドロップ)で近くにいるユーザーに写真などを送るには、近くにいる送信相手のデバイスを選ぶという手順を踏む必要があります。この時にデバイスに本名を設定しておくと、エアドロップの画面で他人に自分の名前が知られてしまう可能性があります。

エアドロップ痴漢を働く輩はエアドロップのこの特徴を利用して、異性のものだと考えられるiPhoneにわいせつな画像などを勝手に送る嫌がらせ行為を行います。

また、エアドロップ痴漢の危険性は、嫌がらせ行為だけではありません。エアドロップでデータを共有することができる範囲は約9mであるため、嫌がらせ画像などを送った時の反応で、「このデバイスの持ち主はあの人だ」と本人と名前を特定されてしまう恐れがあります。

さらに、10代や20代など比較的年齢が若い人はTwitterやInstagramなどのSNSも本名で登録していることがあり、その場合は本名を検索することでSNSのアカウントまで特定されてしまうこともあります。

1-3.AirDropを利用したその他の迷惑行為

さらに、AirDropを利用した迷惑行為は、痴漢行為だけではありません。他に確認されている迷惑行為として、次に紹介する2つの事例があるので、似たような迷惑行為をされた場合は基本的にファイルを受け入れないようにしましょう。

1-3-1. AirDropナンパ

先ほど述べたように、AirDropの機能を使うことで異性のものであると考えられるiPhoneを探し出すことができるため、それを経由して「○○高校の□□ちゃんだよね。」といったようなメッセージを突然送ってくるAirDropナンパの被害例もあります。

1-3-2.AirDrop勧誘

AirDropは痴漢やナンパだけでなく、勧誘や宣伝を送り付ける手段としても使われています。

エアドロップ勧誘は主に女性がターゲットで、「20代の女性に人気の職種です」などといった宣伝文句で若者を狙う水商売系の勧誘や、「今すぐ1000万円欲しい方!」といった怪しい商材の販売など、多くの勧誘があります。
送られてくる画像にLINEの友達招待用やWebサイトアクセス用のQRコードが添付されているケースもありますが、見ず知らずの人からのQRコードに不用意にアクセスしてはなりません。

1-4.AirDrop痴漢の被害者は女性とは限らない

AirDropによる痴漢やナンパというと女性がターゲットだと思われがちですが、被害者が女性だけとは限りません。iPhoneユーザーであるならば、男性も被害に遭う可能性はあります。

2.AirDrop痴漢はれっきとした犯罪

AirDrop痴漢の被害に遭っても対処の仕方が分からず、1人で抱え込んでしまっているケースがあります。しかし、エアドロップ痴漢はれっきとした犯罪であり、警察に通報することで然るべき罪に問うことができます。このことを知っておいてもらうためにも、AirDrop痴漢がどのような罪に該当するのか解説します。

2-1.わいせつ電磁的記録頒布罪

刑法第175条で定められているわいせつ電磁的記録頒布罪は、TwitterなどのSNSでわいせつな画像などを公開した場合や、アダルトダウンロード販売サイトでわいせつ動画を販売した場合などに適用される罪であり、AirDrop痴漢も該当する可能性があります。

この罪が適用された場合、加害者には2年以下の懲役または250万円以下の罰金が課せられます。

2-2.迷惑防止条例違反

AirDrop痴漢は、各都道府県が定めている条例違反に該当する可能性があり、実際に兵庫県や大阪府などで、条例違反が適用されることで逮捕者も出ています。

このことから、エアドロップ痴漢はれっきとした犯罪であり、警察に通報することで対処してもらえる可能性は高いといえます。またこれは、安易にAirDrop痴漢を行うと逮捕されて前科がつき、社会的信用を損ねる可能性があるということでもあります。

3.AiDrop痴漢に遭った時の対処法と未然に防ぐための予防策

ここまでに述べたことで、AirDrop痴漢がどのような行為を指しており、れっきとした犯罪であることをご理解いただけたと思います。そこで次からは、AirDrop痴漢に遭った時の対処法と、被害を未然に防ぐための予防策をお教えします。

3-1.警察に通報する

もしAirDrop痴漢の被害に遭った場合は、速やかに警察に通報することを推奨します。先ほど述べた通り、AirDrop痴漢は「わいせつ電磁的記録頒布罪」や「迷惑防止条例違反」などに該当するれっきとした犯罪であり、実際に逮捕された事例もあります。

以上のことから、警察に通報すれば対応してもらえる可能性が高いため、1人で抱え込んで悩まず、まずは警察に通報をするなど具体的な行動を起こしましょう。

3-2. AiDrop痴漢を未然に防ぐための予防策3選

AirDrop痴漢は、簡単な設定で被害を未然に防ぐことが可能です。

たとえ警察が対応してくれるとはいっても、最初からAirDrop痴漢の被害に遭わないようにすることが一番なので、次に解説するAirDrop痴漢を未然に防ぐための予防策を実践していただきたいと思います。

3-2-1.iOS13以降にアップデートする

AirDrop痴漢の被害が増加している現状をうけて、iOS13からは仕様変更によってAirDrop痴漢の対策が施されるようになったため、まだiOS12やそれ以前のバージョンの方はiOS13以降にアップデートすることを推奨します。

どのような対策が施されたかというと、iOS12まではAirDropによって送られた画像はiPhoneの画面にサムネイル表示されていましたが、iOS13からはテキストで「写真を共有しようとしています」と表示されるのみとなっており、いきなり不快な画像が送られてきて嫌な思いをしなくて済むようになっています。ただし、「受け入れる」を選択すると送られてきた写真が保存されてしまうので、身元が分からない送り主からのデータは安易に受け入れないことが重要です。

3-2-2.iPhoneの名前を変更する

iOS13にアップデートすることに加えて行っておきたい予防策は、iPhoneの名前を変更することです。

iPhoneの名前はAppleアカウントに登録した名前を使うため、AirDropの共有画面であなたのiPhoneは「(あなたの本名)のiPhone」と表示されてしまいます。

このことから、初期設定のままだとあなたの本名が他人に知られてしまう可能性があるとともに、SNS経由などで個人が特定される恐れもあります。さらに、女性だと分かる名前だとAirDrop痴漢の被害に遭いやすいため、名前を変更する時には女性だと思われない名前にすることを推奨します。

名前を変更する手順は非常に簡単で、「設定」画面にある「一般」をタップします。

次に、「情報」をタップします。そして、「情報」画面にある「名前」をタップすることで、名前を変更することができます。

3-2-3.AirDropの設定を変更する

iOS13へのアップデートやiPhoneの名前変更を行っても、AirDropの受信設定が「すべての人」になっていると、望まない写真を受信してしまう可能性があります。

そこで、普段は「受信しない」に設定しておき、必要な時だけ「連絡先のみ」に切り替えることを推奨します。

AirDropの設定は、最初に「設定」画面にある「一般」をタップします。

次に、AirDropをタップ、表示される画面で「受信しない」を選択することで変更することができます。

4.まとめ

AirDropはメールやSNSなどを利用しなくても情報共有ができる便利なツールであり、正しく使用すれば役に立つものです。しかし、iPhoneユーザーの中にはAirDrop痴漢のように悪用してくる人もいるので、手軽にできる防犯対策としてご紹介した予防策を行っておき、自分の身を守るようにしましょう。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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