徹底解剖!迷惑メールの仕組みを知り、被害をなくす方法

迷惑メールはいったいどんな仕組みなの?…スマホや携帯、パソコンに大量に届く迷惑メールに悩まされている方なら、一度は疑問に思ったことがあるかもしれません。実は迷惑メールとは、犯罪者が違法にお金を稼ぐための手段です。

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迷惑メールはいったいどんな仕組みなの?…スマホや携帯、パソコンに大量に届く迷惑メールに悩まされている方なら、一度は疑問に思ったことがあるかもしれません。

実は迷惑メールとは、犯罪者が違法にお金を稼ぐための手段であり、相手に迷惑をかけるために行われているわけではありません。
大儲けできるからこそ、広範囲かつ巨大な規模で行われているのです。50億通もの迷惑メールを送信し、1億円の収益をあげた出会い系サイトがあると言えば、なぜそのようなメールを送信するのかという理由も何となくお分かりいただけるかと思います。

とはいえ、迷惑メールの仕組みを知ろうにも詳細な情報は多くありませんし、そもそも安全なものではありませんから、深入りしたくないのが当然です。

そこで本記事では、迷惑メールにはどのような種類があり、どんな手口で送信されているかを解説していきます。仕組みを知ることで、迷惑メールの被害に遭う確率は確実に下がるはず。あわせて迷惑メールを対処するうえで、これだけは絶対NGというパターンも解説していきます。

1.迷惑メールは犯罪者のビジネスツール

1-1.違法性のある内容を匿名で送信できる

犯罪者目線に立てばメールは非常に便利なビジネスツールです。なぜならば、広告掲載できない違法性のある商品やサービス、あるいは違法行為そのものである詐欺サイトの案内を不特定多数の相手に無差別送信できるからです。
また匿名性を確保できるため、リスクを負わなくて済むという点も違法行為に適していると言えます。

1-2.コストが安い

パソコンとインターネット環境さえあれば、きわめて安いコストで大量のメールを送信できます。もちろん広告宣伝費もかからないので、参入障壁が非常に低く、儲かってしまうのが迷惑メールを使った違法ビジネスなのです。最近は、迷惑メール数そのものは減少傾向にありますが、特定のユーザーに狙いを定めて送信するなど、手段が巧妙化してきています。もちろん、相手の承諾なしにメール送信することそのものが違法行為です。(特定電子メール法)

図:全世界の迷惑メールが全メールに占める割合(2007~2019年)

上のグラフによると、全てのメールに占める迷惑メールの割合が減っていることがわかります。かつては世界中のメール総数の80~90%であった迷惑メールが今では30%以下であることも見て取れます。

出典:statista : Global spam volume as percentage of total e-mail traffic

1-3.大量のメールアドレスが簡単に手に入る

現実の世界に名簿業者がいるように、検索エンジンで「メールリスト 販売」と検索すれば、メールアドレスのリストを販売する業者が複数表示されるはずです。10万件のアドレスが数万円程度で販売されており、メールの送信システムも簡単に入手できるため、誰でも簡単に迷惑メール送信者になれてしまうのです。

2.なぜ迷惑メールが来るようになるのか

2-1.ウイルス入りアプリがスマホから電話帳を盗む

不特定多数に公開していないはずのアドレスが、迷惑メールの標的になるパターンはいくつかありますが、ここ数年で目立つのがスマホの不正アプリが原因となるもの。何気なくインストールしたアプリが悪意のあるものだった場合、スマホ内の電話帳のデータを丸ごと個人情報を扱う業者などに転送されてしまいます。こうなってしまうと、自分はもちろん電話帳内の知人も迷惑メールの餌食となってしまいます。

モバイルが発端ですが、スマホの電話帳はGmailの連絡先と同期させることが多いため、パソコン・携帯どちらのメールアドレスも流出することになります。

2-2.アドレス収集目的のサイトにメール登録してしまった

インターネット上に無数に存在するサイトの中には、アドレスを集めるために運営されているものがあります。こういったサイトは、登録されたメールアドレスを個人情報を取り扱う業者に売却してしまうことが多く、そうなれば複数の送信元から迷惑メールが届くことになります。

こういった個人情報収集を目的としたサイト(あるいはアプリ)は、パソコン、モバイルどちらにも存在します。

2-3.無差別メール送信の結果、アクティブなアドレスと特定されてしまった

辞書の単語を組み合わるなどしてメールアドレス候補を無数に抽出し、手当たり次第にメール送信することで、生きているアドレスを探し出す古典的な手法が存在します。

対象となるアドレスがパソコンでも携帯でも、無差別にメールを送信するプロセスは同じなので、どちらも標的になる可能性があります。

3.迷惑メールによくあるパターン

3-1.冷静になろう!出会い系、アダルト系

日本における迷惑メールの主流は、性的な内容をアピールして出会い系サイトへ誘導するものです。男性はもちろんのこと、女性をターゲットにした迷惑メールも存在し、その被害者も多くいるようです。
さまざまな手口がありますが、芸能人や有名人をかたって特定のサービスに入会、課金させるパターンは、特に被害が大きいもののひとつです。

3-2.そんな美味い話はない!儲け話系

お金儲けの情報を持ちかけるメールもあります。副業の勧誘や、宝くじの高額当選をかたるものなど、お金への欲求を巧妙に突いてくるのが典型例です。当然のことながら、そんな美味しい話はありません。お金に関する甘い言葉には、警戒をしなければなりません。

3-3.払う必要はなし!架空請求系

もっとも単純な手口が架空請求です。メールに記載されたURLをクリックしただけで「入会完了」等の表示をするワンクリック詐欺などが、その代表格。またクリックもしていないサイトから突然高額請求のメールが届くケースもあります。
しかし、冷静に考えれば、相手はあなたのことを誰だか分かっているはずがありません。詐欺サイトにアクセスしてしまっても、それだけで個人情報が知られることはないのですから。架空請求は無視してしまえば問題ないのです。

また、サイトに誘導しない架空請求につながる迷惑メールも実在します。電話をさせたり、有名人になりすましてメールをさせるという手口が確認されています。

電話をして電話番号を相手に知られる、メールに返信してメールアドレスを知られるような事があってはならないので、無視するのが一番です。

画像:メールから電話させようとする、実際の迷惑メール

画像:有名人になりすました迷惑メール

3-4.あなたのネット口座が危ない!フィッシング系

ネット銀行のサイトに擬態し、そこであらゆる個人情報を入力させるというフィッシング詐欺もあります。正規の銀行サイトが、個人情報を根掘り葉掘り入力させることはありません。IDやパスワードのみならず、暗証番号やクレジットカード情報、秘密の質問の答えなどを同時に聞かれることがあったら、それはフィッシングだと断定できます。

上の迷惑メール例では、三菱東京UFJ銀行を名乗っているにもかかわらず、送信アドレスのドメインが yahoo.co.jp になっています。

3-5.パターンは多様だがどれも怪しい!広告宣伝系

通常の合法な商品は、ほとんどの場合普通にテレビや雑誌、大手のネットサイトなどでよく見る通常の広告宣伝が用いられます。逆に、盗品や違法な商品はこのような普通の広告で宣伝することが出来ません。そのため、迷惑メールというツールで、不特定多数に無差別に送信する手段を用いるのです。これらにより広告される商品はろくなものではありません。また、商品そのものがそもそも存在しない場合もあります。
特定の有料サービスを無料で使える方法、高額商品が安く買える方法など、ありえない事をうたう広告は、相手をしないに限ります。

4.迷惑メール対策で注意すべきこと

4-1.URLを開いたり、返信をするのは絶対ダメ

迷惑メールを受けた際にもっともやってはならないのが、そのメールに返信することです。返信することによってあなたのメールアドレスが通常使用されている(アクティブ)であることが知られ、さらにたくさんの迷惑メールが届く可能性が高まります。
また、文中のリンクはクリックしないでください。例えば迷惑メールの配信停止を誘導してくるケースもありますが、これは配信停止手続きを装った落とし穴です。犯罪者の言うことを、まじめに受け取ってはならないという一例です。迷惑メールと思しきものはタイトルから判断し、明らかにおかしいものは開封しないという習慣をつけましょう。

上のような迷惑メールでは、【メール配信停止設定はこちら】のリンクを決してクリックしてはいけません。

4-2.内容に騙されてはいけない

迷惑メールは、お金や性欲をはじめとする人間の欲望を刺激してきます。心の隙をつくものであり、それに引っかかる人が多いという事実があります。迷惑メール送信者はあらゆる文面で、私たちを刺激してきますが相手にしてはいけません。
キャッチコピーのテクニックや、心理学に基づいた表現など、高度な技術で私たちを騙しにくるということを理解しておきましょう。

4-3.ウイルス対策は絶対にする

私たちは迷惑メールの被害者だけではなく、加害者にもなり得ます。

なぜならば、スマホにインストールした偽アプリによって電話帳データが盗まれてしまったり、パソコンがウイルスに乗っ取られて、迷惑メールの送信元になってしまうこともあるからです。

したがって、ウイルスをはじめとしたセキュリティ対策が必須と言えます。セキュリティソフトやOSを最新版に更新し、常にPCを防衛していかなければなりません。

5.まとめ

迷惑メールの大半は、出会い系や儲け話という人間の欲望を刺激するもの、架空請求やフィッシング、広告宣伝といったITリテラシーが低い人を狙い撃つものなど、冷静に考えれば怪しさ満点のものばかりです。それをきちんと理解すれば、相手にする必要がないことが分かります。
迷惑メールはとにかく無視することが重要。加えて、自分が送信者にならないために、セキュリティ対策もしっかり行いましょう。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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