子供にスマホを渡すときに注意する3つのこと

親子でスマホとどう向き合うのかを考えることが大事です。調査結果を踏まえポイントを3つにまとめました。

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子供にスマホをねだられて与えるかどうか悩んでいませんか?
スマホをはじめとするモバイルデバイスが急激に普及する今日、子供を持つ親としては、子供とスマホの付き合い方は避けて通ることはできない問題です。
本記事では、スマホが子供に与える影響、スマホを持つことで考えられる被害と子供に買い与えるなら欲しい機能を紹介します。
親子でスマホとどう向き合うのかを考える大きなヒントになると思います。

1.スマホをやりすぎると学力が低下する

勉強時間が同じでもスマートフォンを使いすぎると学力が低下するという調査結果が浮かび上がっています。

脳を鍛えるゲームソフト「脳トレ」を監修した東北大学・川島隆太教授を始めとしたグループが調査を実施しました。

調査結果のポイント3つを以下に書きます

  1. 家庭で平日2時間以上勉強した子供がスマートフォンを1時間未満利用した場合、数学の平均点数が75点です。しかし、同じ勉強時間でスマートフォンの利用が4時間を超えると平均点数が57.7点まで落ちます。
  2. 一方で、勉強時間が30分未満の子供はスマートフォン利用時間が1時間未満だと数学の平均点数が63.1点なのが、スマートフォン利用時間が4時間を超えると47.8点まで落ちます。
  3. この結果は数学だけでなく、国語、理科、社会、英語でも同じ傾向が見られたということです。
    しかし、スマートフォンをまったく利用しないグループの平均点数は1時間未満のスマートフォン利用グループよりも低かったと言っています。

このことから学びとれることとしては、下の2つのことがあると考えます。

  1. スマホ、タブレットを使う時間が1時間を越すと悪影響が出てくる
  2. 勉強に集中する時間と息抜きをする時間のメリハリを作ることが大事

2.スマホを持つことで考えらえる4つの被害

スマートフォンを使っていて起こりかねないトラブルとして代表的なものが下の4種類です。

2-1. 意図しない情報の流出

2-2. いじめ、誹謗中傷、トラブルに巻き込まれる

2-3. ウイルス感染による被害

2-4. 詐欺に会う

それぞれ簡単に説明します。

2-1. 意図しない情報の流出

情報の流出方法として4 つご紹介します。
1.SNSなどに投稿した写真から利用者情報が流出
2.不審な無線LANへの接続に伴う通信内容の流出
3.クラウドサービスの利用による意図しない情報の流出
4.SNS、プロフからの個人情報流出

起こりうるひどい被害として、嫌がらせ、個人を特定した不当請求などが考えられます。

2-2. いじめ、誹謗中傷、トラブルに巻き込まれる

SNS、プロフなどを用いていじめ、誹謗中傷が行われることがあります。経緯と下の3つを紹介します。

2-2-1.冗談のつもりで書き込んだ内容が元となって喧嘩に

例としては、A君が冗談のつもりで「B君ウザい」とB君が見れない設定でSNSにコメントを書きました。他の友達がA君のコメントをコピーして、B君に見られ、B君が怒って喧嘩へと発展してしまいました。

2-2-2.なりすまし投稿による誹謗中傷

例として、A君はB君と仲がよくありません。A君はB君になりしましてSNS上でC君の悪口を書きました。C君は怒ってB君を問い詰めましたが、B君は書き込んでいないと主張しました。調査をするとA君が書き込んだことが発覚。

2-2-3.動画サイトを用いたいじめ

例として、いつも数人にいじめられているA君がいました。ある日いじめっ子の1人が携帯電話でいじめている動画を撮り、動画サイトに掲載しました。
動画サイトでは、A君を誹謗中傷するコメントが相次ぎました。

起こりうる被害としては、トラブルの原因となっていじめられたり、登校拒否にまで発展することも少なくはありません。

2-3.ウイルス感染による被害

Androidプラットフォームの普及によりモバイルを標的としてウイルスが急増しました。
Androidモバイルマルウェアは2013年に3,262確認されました(注1)また、ウイルスを使う攻撃者たちが付くセキュリティホール(脆弱性(ぜいじゃくせい))はモバイルでは2013年に127件見つかっています。

これらのウイルスが行うこととしては下の3つのことが78%(注1)を占めています。

2-3-1.モバイルデバイスを使ってユーザーをスパイするユーザー追跡

SMS、メッセージ、通話履歴を収集し、GPSで位置情報を追跡します。通話を録音し、デバイスで撮影された写真、ビデオをも収集します。
なお、ウイルスでなくても通常の監視アプリを勝手にインストールすることで端末の位置情報、通話記録、電話発着信履歴、SMSの内容、写真データなどを盗み見る手口もあります。

2-3-2.情報盗難

デバイス情報、設定情報、挙句の果てには銀行情報などのデバイス、ユーザーのデータを盗み出します。

2-3-3.従来の脅威

パソコン上のマルウェアと同様に不正アプリが侵入することにより、侵入者が自在にデバイスを操ります。
考えられる深刻な被害としては、下の5つがあります。

  1. プライベートの写真の流出
  2. 電話帳の流出
  3. オンラインバンキングのID/Passwordなどのアクセス情報の詐取による不正送金
  4. オンラインゲームでのID/Passwordなどのアクセス情報の詐取による、アイテムの盗取
  5. クレジットカード番号の詐取による不正購入

 

※3~5は不正アプリが他のアプリ、Webサイトでの入力を盗むことはできず、不正アプリが他のアプリを乗っ取り、ユーザーに不正アプリから情報入力をさせて、情報を盗み出します。

2-4.詐欺にあう

スマートフォンでインターネットを利用することで起こりうる詐欺手口としては代表的なことは下の2つがあります。

2-4-1. お金を払ったけど商品が届かない代金詐欺

この手のトラブルは2012年に比べて2013年は2.3倍と急増しています。(国民生活センター調べ)オンラインショッピングで商品を購入し、銀行口座への前払いを要求され代金を振り込んだが商品が届かないという手口です。

このような手口に合った方たちの相談内容からの詐欺サイトには以下の4つの特徴があります。

  • 価格が極端に安いか、実店舗、大手サイトで売り切れている希少な商品を販売
  • サイト、連絡メールの日本語がおかしい、とくに会社概要欄
  • 支払方法が前払いに限定
  • 振込先の口座が個人名義

対策としては、以下の4つが考えられます。

  • 大手サイト、モールを利用する、または複数の口コミサイトでショップの評価が高いショップでお買物をする
  • 個人名義の銀行口座への前払いは行わない
  • 振込んでしまった場合は銀行と警察に相談
  • 申込前の相談は消費生活センターへ

2-4-2. ワンクリック詐欺による不当請求

ワンクリック詐欺はインターネットのサイトを観覧していたら、年齢認証、同意などを求められクリックすると、一方的に会員登録させられ、高額な料金を請求されるという手口の詐欺です。
スマートフォンでもワンクリック詐欺に出会う可能性があります。

パソコンでのワンクリック詐欺は自分のIPアドレス、プロバイダ情報を表示させ、不安をあおるケースが多いです。
スマートフォンの場合は携帯電話の個体識別番号を表示させることもあります。個体識別番号から個人情報は分かりませんので慌てないでください。
不正なアプリをインストールした場合は請求画面に電話番号、メールアドレスを表示する場合があります。この場合は、詐欺業者に端末の個人情報が伝わっている可能性があります。相手から電話、メールが来た場合は着信拒否、受信拒否などで対応してください。

相手業者に電話をしたり、確認メールを送ると、相手に自分の連絡先を教えることになるので、連絡しないでください。

予防策としては以下の3つのことをおススメします。

  1. セキュリティアプリを入れる
  2. 信頼できない場所からアプリをインストールしない設定にする
    ※信頼できる会社からのアプリ提供の場合はダウンロードは大丈夫です
  3. アプリをインストールする前に表示されるアクセス許可画面の内容を確認する

3. 子供にスマホを買い与えるなら欲しい機能とスマホの紹介

子供にスマートフォンを与えるのなら、上のリスク、悩みを踏まえると大きく2つのことを管理する必要があります。

3-1.スマートフォンの利用制限

3-2.有害コンテンツとウイルスのアクセス制限

この2つのことを実現することを機能に分解してみましょう。

3-1.スマートフォンの利用制限


利用制限を機能として考えると下の3つが大事だと思います。
 

3-1-1.利用時間制限と利用時間帯の制限
 

利用時間制限とは1日の利用時間に制限を設けることです。
スマホの利用を1日1時間までにするのか、2時間までならいいのかなどを設定します。
利用時間帯の制限は、例えば9時夜8時以降は勉強と就寝のための時間なので、8時以降のスマホの利用を制限するなどの設定です。

3-1-2.電話での通話時間制限

1回の電話の通話時間の制限を設けることで長電話を防ぐことができます。

3-1-3.電話の発信制限と着信制限

知らない人からの電話と発信を防ぐことができます。

3-2.有害コンテンツとウイルスのアクセス制限


アクセス制限は下の3つの機能が大事だと思います。

3-2-1.有害サイトのブロック

アダルト系、出会い系の有害サイトへのアクセスを遮断するフィルタリング機能です。

3-2-2.ウイルスの侵入防止

ウイルスに感染したサイトを観覧してもウイルスの感染を防いだり、不正アプリをダウンロードしたとしても、ウイルスの動作、情報の流出を予防します。

3-2-3.アプリのダウンロードは親が管理

子供のアプリダウンロードを制限。または親の監視下でのダウンロード管理します。

3-3.子供向けスマートフォン


上の機能を実現するためのスマートフォン子供に買い与える方法は2通りあります。

3-3-1.利用制限、セキュリティを加味した子供向けのスマートフォンを与えます
3-3-2.通常のスマートフォンにセキュリティアプリと子供向け制限アプリをインストールします

1つずつ具体的な内容を紹介します。

3-3-1.利用制限、セキュリティを加味した子供向けのスマートフォンを与えます

子ども向けスマートフォンを取り巻く状況は変わってきています。

以前は子ども向けに特化したスマートフォンが「ハードウェア」として発売されていましたが、現在は大人が使うスマートフォンと同様のハードウェアに「サービス」として子ども向けのカスタマイズを行っているものが多く見受けられます。

3-3-2.通常のスマートフォンにセキュリティアプリと子供向け制限アプリをインストールします

機能制限アプリとセキュリティアプリを1つずつインストールしておけば大丈夫だと思います。
主なアプリを紹介します。
子供向けのスマートフォン機能制限機能アプリ

ウイルスからスマートフォンを守ってくれるセキュリティアプリ

※ 体験版のご利用にはGoogleアカウントにお支払い方法が追加されている必要があります。ノートン以外の製品についてはそれぞれの会社の手順に従ってください。

4.まとめ

スマートフォンは素晴らしい発明です。インターネットとアプリからは豊富なコンテンツにアクセスができ、学習でき、生活に役立ち、遊ぶこともできます。
過ぎたるは及ばざるがごとしとはよく言ったものだと思います。大人も子供も使いすぎたり、依存症になると弊害がでるのは大人なら考えれば分かることです。
子供の場合は分からない場合があるので、そこを大人がサポートをする必要があるのだと思います。
今後、スマートフォンをはじめとしたモバイルデバイスは益々進化していくのは確かです。
きっと大事なことをモバイルデバイスとどうつき合っていくか、ということでしょう。
モバイルデバイスに依存してしまうのか、うまく使いこなすのかです。

注1:(旧)シマンテック:ISTRインターネットセキュリティ脅威レポート2014より

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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