iPhoneの顔認証の精度と設定方法、顔認証が出来ない時の8つの対処法
iPhoneの顔認証機能、Face IDについての設定方法や認証方法、さらに顔認証がうまくいかない場合の対処法についても解説します。
顔認証は、画面を見ただけでロック解除や商品を購入する時の認証が簡単にできるなど、iPhoneの操作をよる手軽にすることができる優れた機能です。
しかし、マスクや眼鏡をしている場合や、双子の場合でもきちんと顔を識別してくれるのかなどという疑問を抱いている方は、大勢いらっしゃいます。
iPhoneは生活における大事なデータが詰まっているからこそ、できる限り安全に使用したいものですよね。
そこで安心してiPhoneの顔認証機能を使えるように、最新のiPhoneにおける顔認証の設定方法に加えて、顔認証の精度についても解説します。
1.iPhoneに搭載されている顔認証機能とは
iPhoneに搭載されている顔認証機能を安心して使うためには、何がメリットで何がデメリットであるのかを知っておくことも大切です。そこで、顔認証機能の精度について解説する前に、メリットとデメリットについてご説明していきます。
1-1.顔認証のメリット
はじめに、顔認証のメリットについて解説します。
1-1-1.比較的安全性が高い
指紋認証は使いこなせれば便利なものですが、手が濡れていたり、ボタンが汚れていることで認証されないなど、ロックの解除だけでなく指紋を登録するのも苦労するケースが多くあります。
顔認証ではこれらのような苦労をすることはなく、ロックの解除や認証のために手袋を外す必要もありません。また、寝ている間に第三者に指を使われてロックを解除される心配もありません。
ただし、顔認証の注視機能をオフにしていると目を閉じていてもロックが解除されてしまうので、注意が必要です。
1-1-2.決済が簡単にできる
顔認証機能を使えば、Apple Payでの買い物や、iTunes StoreやApp Storeなどでの購入時の認証も簡単にできるため、認証コードを手入力する手間を省くことができ、手軽に決済を行うことが可能です。
1-2.顔認証のデメリット
顔認証でロックを解除するにはiPhoneの画面を正面から見る必要があるので、iPhoneが横向きであったり(顔がiPhoneと平行に横向きであれば認証可)、机に置いたままや画面が上を向いているなど、角度によって画面と目線が平行でない時は認証されないことがあります。
また、マスクをつけていると認証されません。(Apple Watchをつけていれば設定によって解除が可能です)
顔を特徴付ける鼻と口の周りの全てを隠したマスクを着けている状態で認証されてしまうと第三者によるロック解除のリスクが高まってしまうため、不便ではありますが、デメリットであるとは言い切れません。
2.iPhoneの顔認証の精度
ここまでに述べた通り、iPhoneの顔認証は便利で優れた機能ですが、精度についての不安の声が多いのも事実です。従って、次にiPhoneの顔認証の精度がどれほど高いものなのか、顔認証ができるケースとできないケースに分けて解説していきます。
2-1.顔認証ができるケース
まずは、顔認証ができるケースを解説します。
2-1-1.眼鏡やサングラスをかけていても認証可能
よくある疑問の1つとして、眼鏡やサングラスをかけている状態での顔認証が挙げられます。眼鏡やサングラスの形状やレンズの色などによっては認証しにくいこともあるようですが、基本的には認証可能です。
ただし、偏光サングラスは顔認証のために利用されている赤外線が遮断される場合があり、認証できないことが多いようです。
2-1-2.暗い所でも認証できる
夜に寝室の電気を完全に消した状態の暗さでも、顔認証は可能です。そのため、生活するうえでの部屋の明るさや、屋外や屋内などといったことは特に気を配る必要はないといえます。
2-1-3.必ずしも目を開ける必要はない
iPhoneの顔認証はデフォルトで「Face IDを使用するには注視が必要」がオンになっており、目を開けておかないと認証できない設定になっています。
この設定をオフにしておけば目を閉じていても認証できるようになりますが、寝ている間に第三者にロック解除される恐れがあるなど、セキュリティレベルの低下につながるので、あまり推奨はしません。
2-1-4.ベッドなどに横になっている状態でも認証可能
布団を口元までかけることや、枕などによって顔の一部が隠れていると認証できないこともありますが、基本的にベッドなどに横になっている状態でも顔認証は可能です。
2-1-5.顔が似ていると認証できてしまう可能性がある
Apple公式の「先進のFace IDテクノロジーについて」というページにおける、セキュリティ対策の項目において、親子や兄弟、双子など顔がかなり似ていると認証できてしまう可能性があることを、アップルも認めています。
確率的にはかなり低いと考えられますが、こういうこともあり得ることを知っておく必要はあります。
2-1-6.ヒゲやメイクでも認証できる
iPhoneの顔認証は学習機能が備わっているので、ヒゲやメイク程度の外見の変化であれば認証可能です。このことも先の項目同様にApple公式の「先進のFace IDテクノロジーについて」の先進テクノロジーという項目でも挙げられています。
2-2.顔認証ができないケース
次に、顔認証ができないケースについて解説します。
2-2-1.端末を横にすると認証できない
現在発売されている顔認証機能付きのiPhoneは全て、縦向きで使うことを想定されており、iPhoneを横にした状態では顔認証はできない仕様となっています。ちなみに、iPad Proは横向きでも顔認証が可能です。
2-2-2.マスクをつけていると認証できない(Apple Watchとの併用で認証可能)
iPhoneの顔認証についてよくいわれているのが、マスクをつけていると認証できないことです。
マスクをつけていて顔全体が見えない状態では認証できないのは、第三者によるロック解除のリスクをできる限り抑えるなど、セキュリティ向上のためには仕方のないことです。
むしろ、個人情報が詰まっているiPhoneの安全性について、よく考えられているともいえます。
ちなみに、iOS12以降では「もうひとつの容姿を設定」というメニューが追加されていますが、そこでマスクを着用した顔を登録しようとしても「顔の認識が妨げられています」という画面が表示され、顔を登録することはできません。
しかし、iPhoneだけでは無理なマスクをつけての顔認証がApple Watchを併用することによって可能になりました。
別途Apple Watchが必要になりますが、近年の感染症対策で多くの人がマスクを利用する必要が出てきた中でセキュリティレベルを保ったままマスクをつけた顔の認証を行う事ができるのは有用と言えます。
以下のApple公式サイトに詳細がありますので、ご参照ください。
⇒ [Apple 公式] マスク着用時に Apple Watch で iPhone のロックを解除する
2-2-3.iPhoneの角度によっては認証できない
顔認証に使われているカメラが認証可能な範囲で顔を捉えることができないと、認証できないことがあります。
そのため、自分でカメラを顔の前にかざす時は問題なくても、コンビニなどの電子決済でiPhoneを寝かせて顔認証する場合は、認証しにくいことがあります。
2-2-4.写真では認証できない
「顔を登録した人の写真で認証ができてしまうのではないか?」という疑問の声もありますが、iPhoneの顔認証は3Dマッピングで顔を立体的に捉えて認証しているので、同一人物であっても顔写真では認証できません。
2-3.iPhoneの顔認証は100%安全とは言い切れない
「Face IDを使用するには注視が必要」をオンにしておけば、他人にロック解除される確率はかなり低いと考えられます。
非常によく似た双子でのロック解除例もあることからiPhoneの顔認証も100%安全と言い切れるわけではありません。そうであっても、それは顔認証を設定しない理由にはなりません。iPhone X以降の顔認証可能なiPhoneをお持ちの方は顔認証を設定した方が、セキュリティが向上するのは明らかです。
3.iPhoneの顔認証の設定手順
ここからは、iPhoneの顔認証機能の設定手順をご紹介していきます。まだ顔認証を設定していない方やこれから設定する方は、ぜひ参考にしてみてください。
手順①
設定画面で「Face IDとパスコード」をタップします。パスコードの入力画面が表示された場合は、パスコードを入力します。
もしパスコードを設定していない場合はパスコードの作成が案内されるので、指示に従って設定しておくようにしましょう。
手順②
「Face IDをセットアップ」をタップし、iPhoneを縦向きにして画面の正面に顔が来るように持ち、「開始」をタップします。
手順③
顔がフレームの中に収まるようにして、頭を円を描くように動かします。はやく動かすと顔の登録がうまくいかない場合があるので、ゆっくり動かすようにしましょう。
頭を動かすことが難しい場合は、「アクセシビリティオプション」をタップします。
手順④
顔のスキャンが終わったら、「続ける」をタップし、もう一度円を描くようにしてゆっくり頭を動かします。
手順⑤
二度目の顔のスキャンが終わったら「完了」をタップします。
これで顔認証の設定は完了です。
4.iPhoneの顔認証が機能しない時の8つの対処法
顔認証を設定していてもロックの解除がうまくいかない場合や、顔認証の代わりにパスコードの入力画面が表示されるなどといったケースがあります。
このような時にできる対処法を8つご紹介するので、顔認証がうまく機能しない場合は参考にしてみてください。
4-1.iOSのアップデートを確認する
OSのバージョンが古い時に、顔認証がうまく機能しないケースがあります。もし不具合が生じた場合はiOSのバージョンを確認し、アップデートをしてみてください。
4-2.設定を確認する
設定画面の「Face IDとパスコード」をタップすると、顔認証の設定を確認することができます。その画面で「iPhoneのロックを解除」やApple payなど、顔認証を利用したい機能がオンになっているか確認しましょう。
4-3.顔認証用のカメラが何かで覆われていないか確認する
Phone本体の上に付いているTrueDepthという顔認証用のカメラで顔をうまく捉えることができないと、顔認証ができないことがあります。このことから、iPhoneの顔認証用カメラが保護ケースや画面保護フィルムなどで覆われていないか確認してみてください。
また、顔認証用のカメラにホコリなどのゴミが付着していないかどうかも確認しましょう。
4-4.顔の一部が隠れていないことを確認する
顔認証用のカメラに、目、鼻、口がしっかりと映っているか確認しましょう。顔の一部が隠れている場合は、顔認証がうまくいかないことがあります。また、偏光仕様のサングラスをかけている場合は、サングラスを外して顔認証をしてみてください。
4-5.iPhoneを顔から25センチ以上離すようにする
顔認証は、顔認証カメラが顔をしっかりと捉えることが出来た時に機能するため、角度によっては認証が難しくなる場合があります。
従って、iPhoneを平面に置いたり手で持って認証する時は、iPhoneを顔から腕程度の長さである20センチから50センチほど離すようにして、かざしてみてください。
4-6.もう1つの容姿を追加する
iPhoneの顔認証は登録した人物の変化を継続的に学習するため、メイクやヒゲ程度の変化であれば問題なく認証することが可能です。しかし、それでも顔認証がうまくいかない場合や大きく容姿が変化した場合は、もう1つの容姿を登録することで解決するケースがあります。
もう1つの容姿は、設定画面の「Face IDとパスコード」をタップした後、「もう1つの容姿を設定」をタップすることで設定できます。
設定は、「iPhoneの顔認証の設定手順」と同様して登録することができます。
4-7.顔認証をリセットする
ここまでに紹介した6つの対処法を試してもうまく認証できない時は、リセットして設定し直すことを試してみてください。
リセットは「Face IDとパスコード」画面の「Face IDをリセット」をタップすることで実行できます。
その後、「iPhoneの顔認証の設定手順」に沿って再度登録してください。
4-8.パスコードを入力する
iPhoneの電源を入れた直後や再起動をした時、iPhoneが48時間以上ロック解除されていない時や顔認証に5回失敗した後などは、顔認証ではなくパスコードの入力を求めらます。
従って、パスコードを入力した後に再度画面をロックし、顔認証ができるかどうか確認してみましょう。もし顔認証がうまく機能しない場合は、改めて他の7つの対処法を試してみてください。
5.まとめ
今回の記事をお読みいただくことで、iPhoneの顔認証の精度は普通に生活を送る上では特に問題はないといえることが、ご理解いただけたと思います。ただ、顔認証に限った話ではありませんが、現在では100%安全が保障されるセキュリティは事実上存在していません。
しかし、万一何か問題が起こった時や、情報漏洩などを未然に防ぐセキュリティ向上のために、顔認証を設定しておくことを推奨します。
※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。
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