スマホを遠隔操作する方法と悪用を防ぐセキュリティの確認
スマホが手元になくても、パソコンで遠隔操作できるって知ってましたか?紛失・盗難時に活躍したり、パソコンとスマホの間でファイルをやりとりできたりととても便利です。ただ良いことばかりではなく、スマホの遠隔操作機能を悪用したストーカー事件が発生し、逮捕者が出たというニュースもありました。
スマホが手元になくても、スマホをパソコンで遠隔操作できるって知ってましたか?
紛失・盗難時に活躍したり、パソコンとスマホの間でファイルをやりとりできたりととても便利です。
ただ良いことばかりではなく、スマホの遠隔操作機能を悪用したストーカー事件が発生し、逮捕者が出たというニュースもありました。ひょっとして、自分のスマホに不正アプリが入っていないかと不安になっている方もいるかもしれません。
こちらの記事では、便利な遠隔操作アプリを紹介しつつ、遠隔操作を悪用したストーカー行為の実態や対策も解説していきます。
1.紛失・盗難時に頼りになる遠隔操作アプリ
スマホの紛失・盗難に対策しようという目的で、スマホを遠隔操作できるアプリが存在します。これはAndroidにもiPhoneにもあるもので、以下のようなさまざまな機能により、拾得者による不正操作の防止と、早期発見をサポートします。
- 端末の位置を把握する
- 端末の着信音を鳴らす
- 端末にロックをかける
- 端末にカスタムメッセージを表示
- 端末のデータを消去
- 端末を初期出荷時の設定にリセット
1-1.Androidデバイスマネージャー
Androidデバイスマネージャーは、google公式の紛失対策アプリです。Googleアカウントと関連付けられているAndroid端末を見つける機能を有しています。
1-2.iPhoneを探す
iPhoneを探すは、パソコンのブラウザでiCloudへアクセスしてし、紛失した端末を見つけ出します。Apple IDが必要となります。
2.パソコンからスマホにアクセスしてデータをやりとり
スマホとパソコンの間でデータのやりとりができる遠隔操作アプリも、いろいろなものがリリースされています。ここではdocomoが提供しているAndroidアプリ、mobizenを紹介します。このアプリでできることは以下の通り。(現在は提供を終了しています)
- スマホがどこにあってもパソコンからアクセスできる
- スマホで撮影した画像をパソコンで管理できる
- パソコンの音楽をスマホにコピーして持ち歩ける
- スマホで再生している動画をパソコンの画面で再生できる
- スマホとパソコン間のファイルのやりとりがスムーズに行える
- 置き忘れるなどして手元にないスマホへの着信を確認、返信ができる
インストールはとても簡単で、ダウンロードしたアプリをインストール後起動し、IDとパスワードを設定。パソコン版の操作サイトにアクセスして、設定したIDとパスワードを入力するだけです。
3.遠隔操作アプリが悪用されることも
上記で紹介したもの以外にもさまざまな紛失・盗難アプリが存在しますが、それらが誰かによって悪用されてしまうケースもあります。(家族や恋人などの身近な人が)端末にアプリを忍び込ませることで、その端末のほぼすべての機能を遠隔操作で利用できてしまうのです。
3-1.元交際相手のスマホ監視により逮捕された事例
2014年4月上旬、広島市の男性が、元交際相手のスマホ(Android)に監視アプリ(本来の用途は紛失・盗難対策)を入れて盗聴等を行っていたとして、「不正指令電磁的記録供用」の容疑で逮捕されました。
2か月間に、音声記録666回、通話履歴確認399回、位置情報検索を35回行ったほか、写真・動画の撮影やデータ削除操作をした疑いがあります。なお「不正指令電磁的記録供用」とは、正当な理由なく、他人のコンピュータを持ち主の意図とちがった使い方をさせることを罰する法律で、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科される、コンピューターウイルス犯罪にも適用されるものです。
3-2悪意を持った第三者がアプリを利用してできること
ストーカーアプリと呼ばれるように、端末の情報をパソコンの画面で監視し、さらには操作することができます。下記のような機能が実行できます。
- 電話
- 盗聴
- 写真、ビデオ撮影、録音
- 電話発着信履歴取得
- SMSログ取得
- データ消去
- 現在地表示
- 移動ルートの軌跡確認
「Cerberus 反盗難」は盗難防止のアプリですが、悪意ある第三者にとっては非常に優れたストーカーアプリとなってしまいます。
言うまでもなくストーカー行為は完全な犯罪なので、そのような目的でアプリを使用することは許されません。
4.遠隔操作されているか不安なときに採るべき対策
上述した広島の例では、被害女性はアプリが忍び込んでいることに気付かなかったそうです。
もしあなたの端末を誰かに貸した、あるいは誰かにアプリをインストールしてもらった、GoogleアカウントやApple IDの情報を他人に教えたことがあるという経験があり、遠隔操作を懸念しているならば、次の対策を試してください。
特にGoogleやAppleのアカウント情報をすでに知られている場合、アプリを消したり、端末を初期化しても再度同じ被害に遭う可能性があります。知られている疑いがある場合は、ログイン情報の変更もセットで行う必要があります。
4-1.見覚えのないアプリを消す
端末にインストールされているアプリを確認し、見覚えのないアプリや用途不明のアプリを削除してみましょう。
とはいえストーカーアプリは、アプリ一覧画面に表示されないステルス性を持ったタイプのものもあるので、この手段は万能ではありません。
4-2.電池の消費量を確認
遠隔操作が行われている場合、端末には持ち主の意図していない動作が増え、その分の電池消費がかかります。それゆえ、電池の消費量をチェックすることで、おかしな挙動を発見できる可能性もあります。
4-3.セキュリティソフトでスキャン
セキュリティソフトのスキャンを試すことで、悪事を働くアプリの発見に繋がる可能性もあります。ただし、世間で被害が出ていないアプリに関しては、ウイルス情報として登録されていないため検出ができません。
ただし、アプリ一覧画面に表示されないステルス性の高いものでも、セキュリティソフト側でマルウェアとして登録されていれば検出されます。GoogleやAppleのIDとパスワードが知られていなければ、セキュリティソフトを用いたアプリ削除で危機は去るはずです。
これらの実績のあるセキュリティソフト企業がリリースしているセキュリティアプリであれば、実際に存在する数多くのウイルスを検知してくれます。
モバイル セキュリアプリ名 | 体験版日数 |
---|---|
ノートン 360 (※) | 30日間 |
カスペルスキー インターネットセキュリティ | 30日間 |
マカフィーモバイルセキュリティ | 14日間 |
ウイルスバスター モバイル | 30日間 |
※ 体験版のご利用にはGoogleアカウントにお支払い方法が追加されている必要があります。ノートン以外の製品についてはそれぞれの会社の手順に従ってください。
4-4.工場出荷時の設定に戻す
もっとも強引ですが、最大の効果を発揮するのが、端末を工場出荷時の設定に戻すという方法です。全てがクリアされるため、隠れて忍び込んだアプリを強制的に排除できます。
状況が許せば、あらかじめデータのバックアップを取っておきましょう。
ただし前述のIDとパスワードが漏れていれば再度アプリをインストールされてしまうため、ログイン情報を変更する必要があります。
≪Androidの場合≫
1. 設定画面を開き【バックアップとリセット】を選択。
2. 【データの初期化】をタップすると、端末内のすべてのデータが消去されます。
≪iPhoneの場合≫
1. 設定アイコンを開きます。
2. 【一般】を選択。
3. 【リセット】を選択。
4.【すべてのコンテンツと設定を消去】を選択。
5. パスコードを入力。
6.【iPhoneを消去】を選択。
5.遠隔操作されることを防ぐための対策
遠隔操作を「される」のは、第三者によりアプリを入れられてしまうことが、主な原因となります。この他、GoogleアカウントやApple IDの情報を不正利用されたり、別のアプリインストール時やメール経由でウイルス感染させる手口も発生しています。これらに警戒して、端末や情報を守るのが、遠隔操作の被害を防ぐ最大の対策となります。
5-1.端末にロックをかけ、気軽に貸さない
必ず画面ロックをかけましょう。このロックのパスワードやパターンは、第三者が解除できるような簡単なものではなく、複雑なものにしなければなりません。
また、アプリのインストールは自分だけで行い、他人には操作させない。これを厳守することがベストです。
5-2. GoogleアカウントやApple IDの情報は誰にも教えない
スマホのアカウント情報(ID、パスワード)は、いくら近しい間柄の人であっても、教えてはいけません。先に紹介したAndroidデバイスマネージャーや、iPhoneを探すは、これらの情報を知っていればパソコン上で利用できてしまうからです。
5-3.アプリインストールを厳密に管理する
前述のとおり、アプリをインストールする際に、ウイルスが入り込んでくる可能性があります。それを防止するには、アプリインストールを厳密に管理することが肝心になってきます。ここでは不正なアプリの多いAndroidについて解説していきます。
5-3-1.野良サイトは避ける
Androidには公式マーケット以外にも野良サイトと呼ばれるマーケットがあり、悪意あるアプリが多数存在しています。こうしたサイトは利用せず、使いたいアプリは公式マーケットのみで探すというのが安全です。
Google PlayはGoogleが運営しているため、在野のサイトよりは信頼度が高いと言えます。
5-3-2.アプリへの許可内容を確認する
アプリインストール時には、そのアプリがどの情報にアクセスするかを表示し、その許可を確認してきます。ここで電話帳や個人情報への権限を求められたら、いったんインストールを停止すべきで、本当に許可して良いアプリなのかどうかを調べてください。
5-3-3.身元不明のアプリをインストールしない設定に
身元不明の怪しいアプリは、インストール自体できないように設定することができます。これにより不注意でおかしなアプリをインストールしてしまうことを回避しましょう。
1. 設定画面で「セキュリティ」をタップ。
2.「提供元不明のアプリ」欄のチェックボックスにチェックが入っていないことを確認します。
6.まとめ
スマホの紛失・盗難時に遠隔操作を「する」アプリは、とても重宝する存在です。しかし、それは自分が使うときのみの話で、これが誰かに端末を遠隔操作「される」危険性もはらんでいます。こういったストーカーの被害は、特に愛憎の念がはたらく近しい人間関係で起こり得るトラブルだと言えます。
これを防ぐためには、スマホにしっかりとしたロックをかけ、安易に貸したりしないことで、アプリがインストールされてしまうことを防ぐことが重要。もちろん、アカウント情報を人に教えてはいけないのは言うまでもありません。
※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。
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