スマホがウイルス感染?と思ったらチェックしたい症状と対処法
スマホの調子が悪いので、ウイルスのせいでおかしな症状が出ているかもしれないと疑っていませんか? あなたがお使いの端末がAndroidで、セキュリティ対策をとっていないのであれば、その可能性があります。この記事ではスマホの不調について、ウイルスを原因とするもののと、そうでないものについて、それぞれ解説していきます。
スマホの調子が悪いので、ウイルスのせいでおかしな症状が出ているかもしれないと疑っていませんか?
あなたがお使いの端末がAndroidで、なおかつ有効なセキュリティ対策をとっていないのであれば、その可能性が否定できません。この記事ではスマホの不調について、ウイルスを原因とするもののと、そうでないものについて、それぞれ解説していきます。
スマホをターゲットにしたウイルスの多くは、悪意のあるアプリとして端末に入り込みます。Androidのアプリは誰でも自由に公開・インストールができるため、どうしても危険なものが一部出回ってしまうからです。
それに対しiPhoneアプリは原則として審査や管理が厳しい公式サイトを経由することでしかアプリをインストールできないので、危険なアプリはAndroidよりも少ないと言われています。よってこの記事では、Androidのウイルス感染の症状を主に取り上げていきます。
まずウイルス感染の諸症状を解説しますので、心当たりがあるようならばセキュリティアプリをインストールして、すぐさまウイルス駆除を試みてください。主要なセキュリティアプリには無料で試用できる期間が設けられているものも多くありますので、さしあたって費用の心配はいりません。
くわえて、ウイルスに感染しないよう日ごろから気を付けるべきポイントも解説します。これらの知識を身につければ、今後のウイルス侵入を防止できるはずです。
1.Androidがウイルスに感染したときの症状とその被害
Androidの端末がウイルス感染したときに現れる症状を解説していきますが、目に見えて感染していることが分かるのは、ユーザーを脅迫してくるランサムウェアくらい。最近のスマホが高性能化して処理速度が向上したこともあり、ほとんどのウイルスは症状がわかりにくく、感染に気づくことはほぼ無いと考えても良いでしょう。
ウイルスに関して不安があるのなら、今後の感染を未然に防ぐためにも後述するセキュリティアプリの導入を検討する必要があります。
1-1.プライバシーの侵害・個人情報の流出
スマホをターゲットにしたウイルスが狙っている代表的なものの一つは、ユーザーのプライバシーです。メールアドレスや電話番号などが個人情報を買い取る業者が存在するため、個人情報を盗み出そうとするウイルスには多くの種類が存在します。
またユーザーを監視したり、プライベートを盗み見るタイプのウイルスも確認されています。
以下はプライバシー関連のウイルスがはたらく悪事の例です。
≪電話帳データが盗まれる≫
電話帳に登録した知人の個人情報がすべて盗まれます。これが名簿リストとして収集され、闇ルートで売買されてしまいます。
≪電話番号や位置情報が特定される≫
端末に登録した個人情報が盗まれ、またGPS機能から位置情報までをも知られてしまいます。
≪通話やデータ通信が傍受される≫
電話が盗聴されたり、メールやSNSでのメッセージが盗み見られてしまいます。
1-2.スマホを人質に身代金を要求するランサムウェア
突如としてスマホをロックして人質とし、解除のための身代金を要求してくる悪質なウイルスを「ランサムウェア」と呼びます。(「ランサム」とは英語で 「ransom : 身代金」を意味します)
ひとたび感染してしまうと、スマホの操作ができなくなりますので、感染自体を未然に防ぐのがベストです。
1-3.盗聴、盗撮されてしまう
スマホにはカメラやマイクが実装されており、しかもスマホの高性能化に伴ってカメラやマイクの性能も高くなっています。攻撃者にとっては盗撮や盗聴に用いるツールが進化してしまっていることでもあるため、ウイルスに感染するとこうしたツールを悪用され、自分のプライバシーが筒抜けになってしまう恐れがあります。
1-4.身に覚えのないSMSが送信される
感染したウイルスによってスマホを勝手に操作されてしまい、身に覚えのないSMSが送信されることがあります。近年、「スミッシング」といってSMSを使ったフィッシング詐欺の手口が報告されていますが、こうしたウイルスに感染すると自分のスマホから勝手にSMSが送信され、知らない間に悪事の片棒を担いでしまうことになります。
1-5.iPhoneを狙ったスマホウイルスについて
同じスマートフォンでも、AndroidとiPhoneでは出回っているウイルスの種類にかなりの差があります。Androidを狙った不正なアプリは亜種も含めると数百万種類存在すると言われていますが、iPhoneはそれと比較してごくわずかな数が確認されたのみです。
これはiPhoneのOSであるiOSの仕様によるものが大きいとされていますが、すでに述べた通り、アプリ公開のハードルの低さが要因の一つともされています。AndroidのアプリはGoogle Playなどの公式マーケットであっても、iPhoneアプリと比較して審査基準が厳しくないため、危険なアプリや悪意のあるアプリが公開されている可能性があります。
もちろんアプリを経由しないウイルス感染の可能性もあるため、iPhoneだからといって安全が保証されているわけではありません。しかし同時に、アプリを経由したウイルス感染の危険度については、メーカー保証の範囲で使うかぎりiPhoneのほうが安全なのは事実です。
それほど日本での多くの被害は報告されていないもののiPhoneにもいくつかのマルウェアが発見されています。そして、それらは脱獄していないiPhoneにも影響を及ぼすものです。
2014年にiOSにWirelurker(OSX.Wirelurker / Trojan.Wirelurker)というトロイの木馬が発見されました。
2015年には公式App Storeにウイルスを混入させたXcodeGhost(OSX.Codgost)、同年10月には企業が社内アプリを配布するプロセスを悪用するYiSpecter(IOS.Specter)が発見されています。
2019年にはGoogle社の調査で特定のWebサイトを開くだけでiPhoneにマルウェアがインストールされてしまう複数の脆弱性も発見されており(この脆弱性は現在修正されています)、iOSを搭載したiPhoneのセキュリティが万全とは言えない状況になってきています。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
参考記事 : 他人事ではないiPhoneウイルス – 無料で出来る対策6つ
1-6.ユーザーをあわてさせる手口も
いきなり高額の利用料金を要求してきたり、ウイルス感染を騒ぎ立て特定のアプリをインストールさせようとする手口もありますが、これらの多くはWEBサイト閲覧時やメール開封時に行われるため、厳密にはウイルスではありません。
すでに解説した通り、ウイルスの主な目的の一つはプライバシー侵害ですから、あからさまに騒ぎ立てるタイプは、あわてず騒がず相手の要求に応じないことが基本となります。
上の画面は、ブラウザ上に「あなたの携帯は感染しています」と表示して、あわてたユーザーに特定のアプリをインストールさせようとする手口ですが、このアプリがウイルスであるパターンが一般的です。
『スマートフォンでのワンクリック詐欺|正しい対処方法と予防』も参考にしてみてください。
また、あたかもOSが警告を発しているかのように見せる手口もあります。偽の「セキュリティ警告」を発して不安を煽るパターンや、Apple社をかたって騙そうとする手口など、巧妙なものもあるので、くれぐれも注意してください。それぞれの手口については詳しく解説している記事がありますので、そちらも併せてお読みください。
2.ウイルス感染が疑われる主な症状
近年のウイルスは感染の事実を知らせることで目的を達成しようとするランサムウェアを除き、少しでも長くスマホ内に留まって悪事を働くことを目的としたものが多く、表立った症状を見せないようにするものがほとんどです。以下には表に見えている症状をご紹介しますが、基本的には何も気づくような症状がないと思っていたほうが良いでしょう。
2-1.データ通信量が異常に多くなる
ウイルスが勝手に何らかのデータ通信をすることにより、これまでとは明らかに通信量が増大しているといった症状が見られることがあります。ただしこれだと攻撃者にとって不利になるため、こうした症状が出にくいように「工夫」をしている傾向があります。スマホの使い方がそれほど変わっていないのに通信量が多くなっていると感じるのであれば、アプリごとの通信量を調べることで怪しい挙動を見つけられるかもしれません。
2-2.スマホが熱くなる・バッテリーの消費が増える
ウイルスアプリが活発に動けば動くほどCPUに負荷がかかり、スマホは熱くなります。また、CPUはより多くのパワーを必要とし、バッテリーの消費電力は大きくなります。
何のアプリも動かしていないのに、常時スマホが熱くバッテリーの減りが早いという場合はウイルスの感染を疑う必要があるかもしれませんが、密かに長い時間感染を続けることを好む近年の攻撃者はこのようなウイルスを作る可能性は低いと言えます。
2-3.カメラアプリが勝手に起動する
これも露骨な症状なのであまり見られませんが、ユーザーが何も操作していないのにカメラアプリが勝手に起動することがあります。
2-4.インストールした覚えのないアプリがある
インストールした覚えがないアプリが勝手にインストールされているというのも、ウイルス感染が疑われる症状のひとつです。ウイルスそのものはステルス性を重視するためアプリのように見える形になっていないことが大半ですが、そのウイルスの動作によって何かアプリを勝手にインストールされている可能性もあります。
2-5.スマホ内のデータが削除されている
データの破壊を目的としたウイルスに感染してしまうと、保存しているデータが勝手に削除されてしまうことがあります。
2-6.スマホが勝手に再起動する
ウイルスによる指示でスマホを再起動させたり、もしくはウイルスによってスマホに何らかの不具合が起きてしまい、勝手に再起動することがあります。
2-7.目に見える症状が全くないのがほとんど
ここまでスマホのウイルス感染が疑われるいくつかの症状をご紹介してきましたが、これらはすべてユーザーにウイルス感染の事実を気づかれやすい症状ばかりなので、ほとんどのウイルスは無症状であると考えるべきです。実はこの点が巧妙であり、ユーザーにとっては厄介です。ご自身の感覚や気づきだけに頼るのではなく、セキュリティアプリなど合理的な手段でウイルス感染の有無を確認するようにしてください。
3.ウイルス以外が原因と思われる症状
スマホの調子が悪くなったからといって、必ずしもウイルスの感染が原因とは限りません。ウイルス以外の不調要因もあります。
3-1.スマホ本体の動きが悪い
「端末がフリーズする」「電源が落ちる」「再起動が頻繁に起きる」「動作が重い」といった物理的な動作不良は、ウイルスに起因するものではなく、単純な故障・不具合の可能性が高いと考えられます。なぜならば、物理障害は犯罪者の目的にそぐわないからです。
こうした現象は、端末を再起動することで解消されることがあります。それでもおかしいなら故障が考えられますので、修理や買い替えを検討してください。
また充電がすぐなくなる場合、バッテリーの劣化である可能性が高いです。
3-2.身に覚えのないメルマガが配信される
ウイルス感染によりメールアドレスが流出した結果、スパムメールが届いている可能性もありますが、知人の誰かが電話帳を盗まれれば自分のアドレスも流出しますので、必ずしも自分のスマホが感染したとは言えません。
届くメールがアダルトや架空請求といったスパムの可能性が高いものではなく、まっとうなサービスが発行するメールマガジンだった場合、なんらかのサービスに登録したアドレスにメールが配信されているケースもあります。
『こんなアプリは危険!迷惑メールの対処と未然に防ぐノウハウ』も参考にしてください。
4.スマホ用セキュリティアプリの有用性と主なセキュリティアプリ
Androidには様々な種類のセキュリティソフトがありますが、どのソフトでも、
- 新型ウイルスの特徴をアップデートし、最新の対策を講じてくれる
- すでに判明しているウイルスとの接触を防いでくれる
- すでにスマホに入り込んでいるウイルスを駆除してくれる
といった基本の機能は搭載されています。
パソコン用のセキュリティソフトとして高い評価を得ていた各ブランドが、今ではスマホ向けにもセキュリティアプリを開発、リリースしています。スマホ用セキュリティアプリはウイルス対策だけでなく、スマホに特化したセキュリティ機能も数多く実装されているので、特にAndroidの場合は必須といえるでしょう。試用期間として無料で利用できる期間を設けているアプリも多いため、まずは使ってみて判断するのも良いと思います。
モバイル セキュリアプリ名 | 体験版日数 |
---|---|
ノートン 360 (※) | 30日間 |
カスペルスキー インターネットセキュリティ | 30日間 |
マカフィーモバイルセキュリティ | 14日間 |
ウイルスバスター モバイル | 30日間 |
※ 体験版のご利用にはGoogleアカウントにお支払い方法が追加されている必要があります。ノートン以外の製品についてはそれぞれの会社の手順に従ってください。
5.ウイルス感染の主要ルート!アプリ選択には細心の注意を
Androidのウイルスの多くは、悪意のあるアプリとしてスマホに入り込んでくるため、危険なアプリを避けるテクニックは必須です。
ここで紹介するルールを守りつつ、セキュリティソフトを常駐させれば、かなりの確率でウイルス感染をブロックすることができます。
5-1.野良マーケット・アプリは避ける
Androidのアプリを扱うサイトには、Google直営のGoogle Playなど信頼のおけるマーケットと、信頼できない野良サイトがあります。
野良サイトには不正なアプリが入り込みやすいため、公式サイトを利用したほうが安全です。
5-2.アプリへの許可権限を要確認
アプリをインストールする際には、そのアプリがどの情報へアクセスして良いのかを許可する画面が表示されます。ここで個人情報や電話/通話などの権限を求められたら注意が必要。これを許可すると、アプリが電話帳などに自由にアクセスすることを許してしまうことになってしまいます。不正なソフトは、ここに罠を張っているのです。
5-3.デベロッパーの確認
デベロッパー(アプリの製作者)が信頼できるかどうかを確認することも重要です。誰もが知る企業と、そうでないところとではリスクに大きな格差があります。
ただしデベロッパーを詐称するケースもあるので、レビュー(高評価ほど良い)やダウンロード数(多いほど良い)を参考にするなど、総合的に判断する必要があります。
5-4.アプリの公開日に注目
Google Playなどのアプリ公開サイトは、公開済みのアプリがウイルス入りだと判断した時点で公開を停止します。そのため、ウイルス入りアプリは基本的に短命です。長い間公開されているアプリは、それだけで安全度が高いと言えます。
6.まとめ
Androidには数多くのウイルスが存在しているので、セキュリティ対策をとっていない端末は、大きなリスクにさらされていると言えます。
ウイルスが働く悪事は目に見えるものと、隠れて行われるものがあり、後者を人間の目や感覚だけで見抜くことはきわめて困難です。少しでも不安を感じるのであればセキュリティアプリを導入し、合理的な方法でウイルスの検知を行うことをおすすめします。
※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。
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