犯罪者の攻撃からSkypeを守る！4つのセキュリティ強化策

誰でも無料で音声通話やビデオ通話、チャットなどを楽しむことができ、非常に便利なSkype(スカイプ)ですが、そのセキュリティに対して漠然とした不安を抱いていませんか？

もしそのような不安を抱えているのでしたら、まずはこの記事で取り上げているSkypeのセキュリティ強化に必要不可欠な5つの対策法をお試しください。

これだけでもSkypeを安心して使うことができるようになりますが、さらなる強化を求めるのであれば、Skypeの危険性や基礎知識をしっておく必要があります。

Skypeで起こり得る危険を事前に察知しておけば、いざというときに慌てることなく適切な処置をとることができるでしょう。

1.今すぐできるSkypeのセキュリティ強化策

どの通信アプリにもいえることですが、セキュリティ対策を全くしないで使い続けていると、マルウェア感染や情報漏洩などのトラブルに巻き込まれる危険性があることは知っておく必要があります。

ここではSkypeを利用する前に必ずやっておくべき、5つのセキュリティ対策を解説していきます。

1-1.対策① 強固で安全なパスワードを作成する

Skypeに限った話ではありませんが、パスワードの安全性を高めることは、自分の個人情報を守るための重要な対策になります。アカウントごとに必ず強固かつ固有のパスワードを作成してださい。

1-1-1.良質なパスワードを作成するテクニック

パスワードは文字・数字・記号を組み合わせて作成し、長ければ長いほど強度が上がるのですが、その反面覚えにくくなるという問題があります。ここでは、長くて複雑でも覚えられる強固なパスワードの作成方法を紹介するので参考にしましょう。

・単語ではなく文章形式のパスワードを使用する

パスワードの最大の長さは20文字ですが、それ以内の短い文章(例：My Really Good Password)にすることで見破られにくいパスワードを作成できます。これに数字や特殊文字を含めるなどアレンジを加えて「MyR3@llyG00dP@ssw0rd」とすれば、より強固になります。

・大文字と小文字を組み込む

大文字のみ、または小文字のみで作成するのではなく、大文字と小文字を組み合わせるようにしましょう。「mypassword」よりも「MyPaSSworD」のほうが安全なパスワードになります。(実際はアルファベットだけでは安全ではありません)

・パーソナルなパスワードを作成する

名前や誕生日、電話番号など、他人に簡単に推測されてしまうようなものは控えなければなりません。また、SNSの発達により個人的な情報が広く公開されるようになった昨今、ペットの名前やお気に入りの映画などであっても、他の人が知っている可能性があるので注意が必要です。

確実に自分しか知り得ない情報をもとに、推測されにくいパスワードを作成しなければなりません。

・サイト別に固有のパスワードを使用する

複数のサイトで同じパスワードを利用するのはご法度です。あるサービスのパスワードが漏洩すると、そのパスワードが不正利用され、他のサービスにもログインされてしまうケースがあります。必ずサイトごとに固有のパスワードを設定するようにしてください。

・記号や特殊文字を使用する

パスワードに記号や特殊文字（「#」「%」「$」「&」「$」「!」「@」）などを含めると、より強固になります。 例えば、「I %L0ve Skype$」や「stRong=p@SswOrd!!」のようにすると良いでしょう。

・パスワードを定期的に変更する

企業などからの情報漏えいリスクを別途考慮しなくてはなりませんが、十分に長く複雑なパスワードを作成し、使い回しをしておらず、かつ適切に保管されていれば定期的な変更は滅多に行わなくても良いかもしれません。

しかし、そのようなケースは稀であるのが実情なので、同一のパスワードを長期間使い続けず定期的に変更する方が安全です。面倒かもしれませんが、パスワードは3ヶ月に1回の目安で変更した方がより安全と言えます。

1-1-2.パスワードの変更方法

パスワードを長期間に渡って利用している、またはパスワードのセキュリティが侵害されたと疑われる場合は、直ちにSkypeにサインインしてパスワードを変更しましょう。

パスワードの変更方法は端末によって若干異なりますが、基本的な流れはどれも同じです。

・PC(Windows/Mac)の場合

【手順】

1. Skypeを起動し、名前横の「…」から「設定」をクリックします。

2. 設定画面が開くので「自分のアカウント」をクリックします。

3. パソコンで設定されているブラウザが起動し、Skypeの「マイアカウント」ページへジャンプするので、「パスワードの変更」を選択してパスワードを変更します。

・スマートフォン(Android/iPhone)の場合

【手順】

1.SkypeのWebサイトへアクセスして「サインイン」をタップ。Skype名・メール・電話番号のいずれか1つと、パスワードを入力してサインインします。

2.マイアカウントのページを下にスクロールしていくと出てくる「アカウントの詳細」＞「設定」の項目にある「パスワードの変更」をタップします。

3.「Skypeのパスワードを変更」ページへジャンプするので、「現在のパスワード」「新しいパスワード」「パスワードの確認」を入力して「保存」をタップすればパスワードが変更できます。

1-2.対策② 常に最新のバージョンを使う

Skypeの脆弱性を排除し、セキュリティを向上させるためには、常に最新の状態を維持しておく必要があります。

PC版のSkypeではデフォルトで自動的にバグを修正するためのソフトウェアがアップデートされるのですが、必要なアップデートがあるかどうかを自分で確認する方法もあるので、以下にその方法を紹介します。

ちなみに、「セキュリティアップデートがリリースされた」という類のスパムメッセージが届く場合があるのですが、それには注意しなければなりません。

Skypeからそのようなメッセージが送られてくることは決してないので、届いたとしても無視して削除しましょう。

・PC(Windows/Mac)の場合

【手順】

1. Skypeを起動し、名前横の「…」から「設定」をクリックします。

2.「ヘルプとフィードバック」をクリックするとSkypeのバージョンと「最新かどうか」のが表示されます。もしアップデートが必要な場合は、指示に従って最新版へアップデートしてください。

・スマートフォン(Android)の場合

【手順】

1.「Google Play」を起動し、画面左上にあるメニューボタンから「マイアプリ＆ゲーム」をタップします。

2.「アップデートあり」の欄に「Skype」があるかどうかを確認しましょう。もしあればタップしてそのままアップデートしてください。なければ最新の状態なので、そのまま閉じてしまって問題ありません。

・スマートフォン(iPhone)の場合

【手順】

1.「App Store」を起動し、画面右下にある「アップデート」をタップします。

2.「保留中のアップデート」の欄に「Skype」があるかどうかを確認しましょう。もしあればタップしてそのままアップデートしてください。なければ最新の状態なので、そのまま閉じてしまって問題ありません。

1-3.対策③ 使用している端末を保護する

Skypeを使用しているかどうかにかかわらず、お使いの端末がマルウェアに感染してしまうと個人情報が収集される危険性があります。

Skypeを安全に利用するためには、まず使用している端末のセキュリティを強化することが重要です。どんな端末であっても、使う際は以下の約束事を必ず守るようにしましょう。

• 必ずセキュリティソフトを導入し、定期的に更新する。
• OS(基本ソフト)やアプリケーションを定期的に更新し、常に最新の状態に保つ。
• パーソナルファイアウォールを有効にする。
• インターネットで怪しいと思われるサイトにはアクセスしない。また、アプリのダウンロードサイトは公式のものを利用する。
• 差出人や件名が不明のメールを開かないようにする。

1-4.対策④ プロフィールの設定を慎重に行う

Skypeのプロフィールには、表示名のほかに誕生日・性別・電話番号・所在地などを加えることができます。それらの情報は他のユーザに検索してもらうときに役立ち、コミュニケーションの輪が広がるのですが、その一方で全てのユーザが見ることができるため、悪用される恐れもあることを念頭に入れておかなければなりません。

プロフィールの入力は必須ではないので、公開したくない情報は記入しないようにしましょう。ちなみに、アカウント登録時に設定したプロフィールは、後から内容を追加したり変更したりすることが可能です。ここではその方法を紹介します。

・PC(Windows/Mac)の場合

【手順】

1. Skypeを起動し、名前横の「…」から「設定」をクリックします。

2.「アカウント&プロフィール」から「自分のプロフィール」をクリックします。

3.パソコンで設定されているブラウザが起動し、Skypeのプロフィールの編集画面が表示されるので、編集したい項目をクリックして変更しましょう。

・スマートフォン(Android)の場合

【手順】

1.「Skype for Android」を起動してサインインした後、画面左上のメニューボタンから「アカウント」をタップします。

2.プロフィールの編集画面が表示されるので、編集したい項目をタップして変更しましょう。

・スマートフォン(iPhone)の場合

【手順】

1.「Skype for iPhone」を起動し、画面右下「自分の情報」→「アカウント」→「プロフィール」をタップします。

下部にある「アカウント情報」→「プロフィール」をタップします。

2.プロフィールの編集画面が表示されるので、編集したい項目をタップして変更しましょう。

2.Skypeで起こりうる危険性とその対策

続いてSkypeを利用する上で遭遇する可能性のある脅威と、その対策法について解説します。いつ自分の身に起きてもおかしくないものばかりですので、きちんと把握しておきましょう。

2-1.乗っ取り、なりすまし行為

LINEやFacebook同様、skypeも乗っ取りやなりすまし行為の標的となっているので注意が必要です。

実際に、悪意のある第三者が不正な手段でIDとパスワードを取得して利用者になりすまし、家族や友人などに電子マネーの代理購入を持ち掛けて盗取する、というLINEで多発していたアカウントの乗っ取り詐欺がSkypeでも起こっています。

また、アカウントが乗っ取られてしまうと、登録しているクレジットカードや住所などの個人情報の一部を見られたり、Skypeクレジット(Skypeの有料サービスを利用するためのプリペイド料金)を勝手に追加されたりする危険性もあるのです。

【対策法】

アカウントの乗っ取り・なりすまし行為の防ぎ方として効果的なのが、強固なパスワードを設定することと、Skype以外のサイトやサービスで同じパスワードを使い回さないことです。なお、アカウントが乗っ取られた場合はSkypeのヘルプページにアクセスして、その指示に従ってください。

2-2.フィッシング詐欺

フィッシング詐欺とは、金融機関や企業などを装ってユーザからIDやパスワード、銀行口座番号、暗証番号、クレジットカード番号などの個人情報を盗み取る犯罪のことです。

例えば、Skypeを装ったメッセージをユーザに送り、本文のリンクをクリックさせSkypeによく似た偽のWebサイトに飛ばします。そこでサインインを促し、入力されたSkype名やパスワードを盗み取って悪意のある目的に使用する、という寸法です。

【対策法】

フィッシング詐欺に遭わないようにするには、攻撃者が送る偽のメッセージを見破ることが何よりも大切です。

「このリンクをクリックしないとSkypeのアカウントが無効になります」や「アカウントのセキュリティが侵害されました。ここをクリックして詳細をご覧ください」といった、緊急事態を装ったメッセージは疑ってかかるべきです。

アカウントへのアクセスを求めるメッセージが届いた場合は、メッセージ内のリンクを不用意にクリックせず、ブラウザに「skype.coｍ」と入力してSkypeの公式サイトへ飛び、直接自分のアカウントにアクセスしてください。

また、リンクを介してWebサイトに辿り着いた場合はURLを必ず確認しましょう。日本語公式サイトのURL（https://www.skype.com/ja/）とは異なる文字や単語が含まれていたら、それは公式のサイトではありません。

なお、アカウントのセキュリティが侵害された場合やその疑いがある場合は、直ちにパスワードを変更しなければなりません。

フィッシング詐欺の被害に遭わないための対策や、実際に詐欺に遭った際の具体的な解決策については、「フィッシング詐欺とは? | 被害・実例・対策」で詳しく説明されているので参考にしてださい。

2-3.スパムメッセージ（マルウェア感染・オンライン詐欺）

送られてきたスパムメッセージの中にあるリンク先にアクセスすることで、マルウェアに感染する場合があります。また、スパムメッセージからオンライン詐欺へ発展する恐れもあるので要注意です。

Skypeと偽って違法な販売活動を行っている業者からクレジットカード情報やパスワードなどを要求するメッセージが届き、スパムとは気づかずに情報を送信してしまい悪用された…という事例があります。

【対策法】

知らない相手から送られてきたメッセージに返信しないのはもちろん、本文中のリンクをクリックしないことです。

また、クレジットカード情報やパスワードを送信する場合は、必ずそのWebサイトや販売サイトが信用できるものであるかどうかを確認しましょう。

Skypeクレジットや月額プランは、Skypeの公式サイトから直接購入できるのですが、Skypeがクレジットカード情報やパスワード等のデータをメッセージで要求することは絶対にありません。

3.Skypeを利用する上での基礎知識

Skypeには一般電話と比較して様々なメリットがありますが、その反面デメリットもいくつか存在します。メリット・デメリットすべて理解した上で導入するかどうかを検討しましょう。

3-1.Skypeとは

Skypeは、Microsoft社が開発・提供している、P2P(コンピューターの通信方式)の仕組みを利用した音声通話ソフトです。インターネットを通じてパソコンや携帯情報端末を接続し、音声通話やビデオ通話、チャット(インスタントメッセージ)、ファイル送信などを手軽に行うことができます。

3-2.Skypeのメリット

3-2-1.無料で利用できる

インターネットに接続できる環境があれば、誰でもSkypeのサービスを無料(固定電話や携帯電話への通話など一部のサービスは有料)で利用できるのが最大の特長と言えます。Skype同士の通話なら、世界中のあらゆるユーザと何時間でも無料で通話できるのです。

また、お使いの端末に無料ソフトをダウンロード＆インストールするだけで簡単に使い始めることが可能で、初期導入コストがかからないのも魅力です。

3-2-2.ビデオ通話・ファイル送信などの付加機能あり

Skypeには相手の顔を見ながら話せるビデオ通話機能もあり、Webカメラか対応スマートフォンを持っているSkypeユーザ同士なら無料で利用できます。

また、ファイル送信機能(ファイル容量制限なし)も搭載されており、Skypeで繋がっている相手に文書ファイル・写真・ビデオクリップなど様々なファイルを素早く簡単に送信することが可能です。

ビデオ通話をしながらメッセージのやり取りや大容量のファイルを送る…といった便利な使い方ができます。

3-2-3.様々な端末に対応している

SkypeはWindows・Mac・Android・iPhone・iPadなど、色々な端末に対応している点も強みです。1つのアカウントで異なる端末からサインインできるため、インターネットにさえ接続できる環境があれば、場所を選ばずにどこでもサービスを利用できます。

3-2-4.ファイアウォール内でも有効に機能する

Skypeはファイアウォールやルータの設定が一切必要なく、すぐに使える手軽さも利点の1つです。ただし通信機能が悪用される危険性を考慮して、SkypeのP2P通信を遮断する機能を持ったファイアウォールも存在します。その場合は通信の許可設定を行う必要があります。

3-2-5.デジタル認証および暗号化による安全性の確保

悪意のある第三者による通信の盗聴や、ユーザの貴重な個人情報を入手しようとするフィッシング詐欺など、インターネット上の様々な脅威からユーザを守るため、Skypeでは「デジタル認証」をすべてのユーザに発行しています。

デジタル認証とは、世界中のどこから接続してもSkypeユーザの身元を確認できる電子信任状のことで、これにより安全な通信を行うことが可能です。

また、Skypeではメッセージの暗号化アルゴリズムも採用しており、ユーザ間でやりとりされるデータの完全性の確保だけでなく、ユーザのプライバシーも保護されます。

3-3.Skypeのデメリット

3-3-1.インターネットに接続できない環境では使えない

Skypeはインターネットを通じてコミュニケーションできるサービスゆえ、当然ながらインターネットに接続できない環境では使うことができません。また、ソフトを起動させている状態でなければ利用できないため、電話機単体で利用できる固定電話や携帯電話に比べ、若干の不便さがあります。

3-3-2.端末のスペックや通信環境によって通話品質が左右される

通信端末とインターネットを利用するSkypeでの通話は、端末のスペックや通信環境の影響を大きく受けます。

自分や通話する相手が低スペックの端末や通信速度の遅いインターネット回線を利用している場合、通話が途切れ途切れになったり画像が乱れたり、場合によっては通話できない状態になったりすることもあるので注意が必要です。

3-3-3.警察や消防など緊急電話への通話ができない

Skypeでは警察(110番)や消防(119番)への緊急電話をかけることができません(一部使用できる国もあります)。また、フリーダイヤル(0120番)についても未対応となっているので注意しましょう。

4.覚えておきたいSkypeの活用術

Skypeはプライベートはもちろん、ビジネスシーンにおいても利用できます。ここではSkypeを有効活用する方法について紹介します。

4-1.遠距離でのコミュニケーション(家族・友人・恋人)

Skypeのビデオ通話を利用することで、家族や友人、恋人とどれだけ離れた場所に居ても、思う存分コミュニケーションを取ることができます。

4-2.固定電話・携帯電話への通話料節約

Skypeは有料サービスを利用することで、国内・海外を問わず固定電話や携帯電話へ格安料金で通話できます。特に国際通話がお得で、例えば国際電話カードを使って固定電話で中国に通話した場合、20分で約440円かかるところSkypeなら約60円と、約86％もの節約が可能になります。

ただし、Skypeはすべての国のすべての電話番号をサポートしているわけではなく、利用できないケースもあるので注意が必要です。特定の有料電話番号やSkypeでのアクセスが禁止されていて通話のできない国または地域の特定の電話番号があるということを覚えておきましょう。

4-3.社内通話(内線)・ 社内会議で利用する

会社でSkypeを社内通話(内線)として利用するのも1つの手です。一般的な電話機を使って社内通話を構築しようとすると高額な設備投資が必要になりますが、Skypeなら社内通話を低コストで実現できます。

また、グループ通話を活用すれば最大100人まで同じ通話に参加できるため、複数の拠点を接続した会議を行うことができます。さらにグループビデオ通話を用いれば、無料でテレビ会議を開くことも可能となります（最大50人まで接続可能）。

とはいえ、固定電話や携帯電話と同じように情報漏洩リスクを考慮しなければなりません。社外秘の重要な話をするときには、Skypeを使わないようにするといった心がけが必要です。

5.まとめ

Skypeは無料でありながらも機能が充実していて非常に便利なツールですが、インターネットを介したサービスという性質上、100％の安全性が保証されているわけではありません。

セキュリティ対策をせずに利用することは、救命胴衣なしで海に出るようなもの。予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性がグンと高まり、非常に危険です。

Skypeを安全かつ快適に利用するためにも、ここで解説した5つのセキュリティ強化策を必ず実践しておきましょう。

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