スマホのバッテリー長持ち対策|消費しやすい3つの原因とは
スマホのバッテリーがすぐに減ってしまうという悩みをかかえていませんか?バッテリーは充電により劣化していくため寿命がありますが、買ってからそれほど経っていないのに減りが早いというのであれば、スマホの設定や使い方に問題があるかもしれません。
スマホのバッテリーがすぐに減ってしまうという悩みをかかえていませんか? バッテリーは充電を繰り返すことにより劣化していくものなので、長年使っていると減りが早くなる宿命にあります。しかし、買ってからそれほど経っていないのに減りが早いというのであれば、バッテリーそのものの故障、もしくはスマホの設定や使い方に問題があるかもしれません。
スマホには多くの機能が搭載されており、表面的に見えないところで、あなたが意図していないプログラムが動いていることもあります。そこでまずは、どんな設定になっていて、どんなプログラムが動いているかを確認してみましょう。もし無駄なプログラムが動いているのであれば、それを停止することでバッテリーの消費を軽減することができます。
また、スマホに用いられているリチウムイオン電池について知っておくことで、電池を長持ちさせる方法や、逆に劣化を早めしてしまう行動が分かります。その他、バッテリーを買い換えたり交換したりする際に注意したいポイントもまとめておきます。
1.スマホのバッテリーが長持ちしないとお感じの方へ
スマホのバッテリー、充電が長持ちしないとお感じの方が、まず確認していただきたい項目をまとめました。該当するケースがないか、まずチェックしてみてください。
1-1.バッテリーの寿命が近づいていませんか?
本来スマホは2年程度で買い替えるのが理想的であるとされており、消耗品であるバッテリーも2年程度で劣化が目立つようになってきます。お使いのスマホがすでに使い始めてから2年以上経過しているのであれば、バッテリーの持ちが悪くなっている原因は寿命が近づいているからかもしれません。
リチウムイオン電池は、500回の充放電を繰り返すことによって劣化が進むとされており、毎日充放電を繰り返していたとしたら1年半程度で500回に到達します。2年以上経過しているスマホであれば500回を優に超えている可能性もあり、寿命によってバッテリーが長持ちしないのは致し方ないことです。
スマホによっては「50%程度あったバッテリー残量が突然10%以下になる」といった症状も見られますが、これも寿命が原因である可能性大です。
1-2.無駄な機能が有効になっていませんか?
スマホにある機能のうち、使用していない機能、今は有効化する必要のない機能を有効化していませんか?よくあるのは使用していなくてもBluetoothやWi-Fiが有効になったままになっている、使用していないアプリを起動したままになっている場合などです。使用していなくてもこうした機能やアプリが有効になっていると電力を消費するので、充電したのに長持ちしない原因になります。こうした設定の確認については、次章で解説します。
1-3.バッテリーを劣化させる使い方をしていませんか?
スマホのバッテリーに用いられているリチウムイオン電池の特性上、「バッテリーを劣化させやすい使い方」があります。頻繁に充放電を繰り返す、長時間充電しっぱなしにしている、充電しながらスマホを操作する、温度が高い場所に置いていることが多い、といった使い方はいずれもリチウムイオン電池の劣化を早めます。
バッテリーの寿命を縮める5つのNG行動については後述しますので、それに該当する使い方をしていないか一度セルフチェックしてみてください。
2. スマホの設定を確認!バッテリーを浪費する4つの原因
スマホのバッテリーがすぐに減ってしまうのは、何かしらの用途に電力が消費されているからです。バッテリーを大きく減らしてしまう事柄は、大きく4つ考えられます。
表面的には分かりづらいことですが、バックグラウンドで「不要な通信が行われている」「不要なアプリが起動している」といった事柄が2つと、「ディスプレイの輝度(明るさ)」という画面に関する事柄、そして外的要因ですがそもそも「電波が弱い」という4つに分類できます。。
なお、ここではAndroidを主題にして話を進めますが、iPhoneに関しては「6.iPhoneのバッテリーについて」でまとめます。
2-1. 原因その1|不要な「通信」
バックグラウンドで動いている通信が、電池を浪費している可能性があります。利用する必要のないものは止めてしまいましょう。ここでは、バックグラウンドで行われる通信の概要を紹介するとともに、それを確認する方法と停止する方法を解説します。
※Androidのバージョンによっては表示や操作方法が異なる場合があります。画像はAndroid9.0のものを使用しています
(1) Bluetooth (ブルートゥース)
Bluetoothとは短距離無線通信技術の1つで、イヤホンやスピーカーなどの周辺機器をワイヤレスで利用することを可能にします。
[設定確認と停止方法]
トップ画面の上から下に2段階スワイプをしてメニュー画面を表示します。この中にある「Bluetooth」を探します。これが有効になっていないかどうかをチェックしてください。有効になっている場合で使用しないのであれば、ここをタップして無効にします。
[使えなくなるもの]
Bluetoothを使用して接続するイヤホン、ヘッドセット、スピーカー、キーボード、マウス、プリンタといった周辺機器との接続
(2) GPS(全地球測位システム)
GPSは現在地を測定する、いわゆる位置情報サービスです。地図アプリをはじめ、気象情報アプリ、紛失対策アプリなど、さまざまなもので利用されます。
[設定確認と停止方法]
トップ画面を上から下に2段階スワイプしてメニュー画面を開きます。この中にある「現在地」に色がついていれば、GPS機能が有効になっています。停止したい場合は、ここをタップして無効にします。
[使えなくなるもの]
位置情報サービスをオフにすると、Googleマップなど位置情報のアクセス権限が必要なアプリはサービスに支障をきたすことがあります。
なお各アプリのアクセス権限は、「設定」アプリから「アプリと通知」の順に選択し、当該アプリの「権限」をタップし、以下の画面に確認することができます。
こうした権限を多く与えるほどバッテリー消費が多くなるので、必要な権限だけにしておくのが良いでしょう。
(3) Wi-Fi (無線LAN)
Wi-Fiとは、無線でネットワークに接続する技術のこと。これがオンになっていると、常にアクセスポイントを探し求めるようになり、バッテリーを消費しやすくなるといわれています。
[設定確認と停止方法]
トップ画面を上から下にスワイプしてメニュー画面を開きます。この中にある「Wi-Fi」に色がついていれば、Wi-Fi機能が有効になっています。停止したい場合は、ここをタップして無効にします。
[使えなくなるもの]
家庭のWi-Fiや、屋外で使用できるWi-Fi(各携帯キャリア、コンビニエンスストアやカフェ、公共施設などが提供する無線LAN)を利用できなくなります。
(4) アプリの自動同期
Gmailやツイッターなど、パソコンや別端末等で利用しているさまざまなアカウントを、スマホと自動同期させることができます。自動同期ということは、常に通信が行われる状態にあるということです。
iOSではあまり考慮しなくても良い可能性ですが、Androidではバックグラウンドでアプリが動作することによってバッテリーの消費を早めることがあります。アプリが自動的にデータを更新することで意図しない通信や処理が発生するので、これを無効にすることでバッテリーの消費を抑えることができます。
[設定確認と停止方法]
アプリ一覧から「設定」を開きます。「アカウント」をタップすると、同期されている項目が表示されます。それぞれのアプリのアイコンをタップすると、そのアプリでの自動同期を設定する画面が開きます(内容はアプリによって異なります)。そこで自動同期をオフにすることができます。
まとめて同期をオフにするには「個人データの自動同期」という項目があります。これがオンになっている場合はバックグラウンド処理が発生するので、このスイッチをオフにすることで無効化できます。
[使えなくなるもの]
自動同期をオフに設定すると各アプリの同期機能が停止します。
2-2.原因その2|電波が弱い
スマホは携帯キャリアとの接続を維持するために、常に電波を受信しています。この電波の強さに応じてスマホは自らの出力を調節しています。受信している電波が強い場合はそれほど強い出力は要らないので出力を抑えますが、逆に電波が弱かったり圏外であることが多いと出力を強して接続を継続しようとするため、その分多くの電力を消費します。
特に圏外の状態だと電波を探す動作を繰り返し行うため、より多くの電力を消費します。電波が弱い場所、圏外になりやすい場所に長時間いるときにバッテリーの持ちが悪いとお感じの場合は、スマホを使っている場所の問題かもしれません。
2-3. 原因その3|不要なアプリの起動
表面上では見えないものの、バックグラウンドであなたが意図していないアプリが動いている可能性があります。ここでは、無駄にバッテリーを消費しているアプリがないかをチェックする方法を解説します。
「設定」から「電池」選択すると、電池の管理画面になります。この画面では「電池の最適化」として個別のアプリが電力を最も効率良く使用するように設定が可能です。
また、電池消費が多いアプリの通知をオンにしておくと、特定のアプリが大量に電池を消費している時に通知が発せられます。それが無用なアプリであれば、終了させるかアンインストールすることで電力消費を抑えることができます。
どちらもとてもスマホのバッテリー対策にはとても有効なので、ぜひご活用ください。
2-4. 原因その4|ディスプレイの明るさ
画面を明るく表示させるほど(輝度が高いほど)、バッテリーを消費します。また、スリープ時間(無操作の時に自動消灯するまでの時間)が長いほど、バッテリーを消費します。
(1) 画面の明るさを調整する方法
アプリ一覧から「設定」を開き、「ディスプレイ」を選択します。ここで「明るさのレベル」スライダーを左右に動かすことで、明るさを調整することができます。
なお、「明るさを自動調節」にチェックを入れると、周囲の明るさに対して画面の明るさが自動的に上げ下げされるという機能が働きます。利便性の高い機能ですが、明るさが上げられる機会が多いと、意図しない理由でバッテリー消費が大きくなる可能性があります。
(2) 点灯時間を調整する方法
アプリ一覧から「設定」を開き、「ディスプレイ」>「スリープ」の順にタップします。ここでは無操作状態で画面消灯するまでの時間を決めることができます。
できるだけこの時間を短くすることで、バッテリー消費を抑えられます。
3. バッテリーには寿命があることを認識する
一般的なスマホはリチウムイオン電池というバッテリーを利用しています。そのリチウムイオン電池は、充電を繰り返すことで性能が落ちていきます。
目安としては充電300回で70~80%に、500回で50~70%に使用可能時間が落ちると言われています。大まかにいうならば、毎日充電していると約1年半で性能が半減してしまうということです。
3-1. バッテリーの寿命を縮める5つのNG行動
<充電しながらのスマホ利用>
充電しながらスマホを利用すると、端末と電池が発熱し、電池の劣化を早める原因となります。リチウムイオン電池にとって、熱は大敵なのです。
<充電のしっぱなし(過充電)>
充電により満タンになった状態で、ずっと充電器につながれたままだと、電池の劣化につながります。例えば就寝中にずっと充電している人は多いでしょうが、それが実はリチウムイオン電池にとって良くない行動なのです。
ただ、近年のスマホは充電が完了するとそれ以降の充電を受け付けない機能が付いているためそれが過充電を防ぐとされており、以前ほど心配する必要はなくなったと言えます。
<電池残量の無い状態での放置(過放電)>
電子残量がない状態で、充電をせずに長時間放置するということも、電池劣化の要因となります。
<頻繁な充電>
ちょっと減るたびに充電をする、といった頻繁な充電は、電池の性能を低下させます。
<高温>
過度な使用による発熱はバッテリーによくありませんが、直射日光が当たる場所や、炎天下の車中など高温の環境に置いておくのもいけません。なお、リチウムイオン電池の最高許容周辺温度は45度に規定されています。
3-2. バッテリーを長持ちさせるテクニック
<充電回数を抑える>
充電回数が電池劣化の要因となるのですから、なるべく充電しないよう、10~20%まで使ってから満タンまで充電する、といったサイクルにすると良いといえます。
<寝る前に充電を完了させる>
多くの人が就寝中に充電をしっぱなしにするという習慣で、電池を劣化させています。そうしないためにも、たとえば帰宅したらすぐに充電し、寝る前までに完了させておくなどの行動が良いといえます。もちろん充電が満タンになったら、充電器から外すことが重要です。
<バッテリーの熱を意識する>
リチウムイオン電池の敵は高温です。スマホが熱を持つのは、長時間の利用、複数のアプリを起動し続けているなど様々な理由がありますが、スマホが熱いと感じたら本体が冷めるまで利用を控えるのが賢明です。
また真夏の車中に置きっ放しにしておくなど、スマホを高温にさらす行為も注意が必要。バッテリーだけでなくスマホ本体そのものが故障してしまう恐れがあります。
スマホが熱くなる理由や対策については、「熱で劣化・故障する前に!スマホが熱くなる理由と対処法」の記事にも詳しい解説がありますので、熱が気になる方はぜひこちらも併せてお読みください。
3-3.自動ロックまでの時間を短くする
スマホを操作しないでいると自動的にロックされるように設定している方は多いと思います。このロックまでの時間を短くすることで無駄な待機時間を減らすことができるので、電力の節約になります。
3-4.正規品の充電器を使う
充電器には正規品と、そうでないものがあります。一見すると同じコネクターなので接続できて充電ができれば問題ないように思えますが、正規品ではない充電器には電力の供給が不安定になるものがあり、これがバッテリーに余計な負担を与えてしまいます。正規品はこうした問題も含めて設計されているので、一見同じように見える充電器であってもできるだけ正規品を使うようにしましょう。
4.スマホのバッテリー問題を改善する3つの方法
朝に満充電だったものが夜まで持たない、日中にバッテリー残量が少なくなって困るといった問題を改善するために、知っておきたい3つの方法を解説します。
4-1.(Android)充電専用のケーブルを使う
Androidスマホの充電には、USBケーブルを使用します。USBケーブルにはデータ通信の用途もあるため、同じように見えるUSBケーブルの中にもデータ通信と充電を兼用しているものと、充電専用のものがあります。データ通信を兼ねているUSBケーブルと比べて充電専用のUSBケーブルは充電に専念できる分、充電速度が速くなります。外出先などで短時間に少しでもバッテリー残量を増やしたい場合は、充電専用のUSBケーブルを使うと良いでしょう。
4-2.モバイルバッテリーを利用する
スマホ本体のバッテリーが劣化して充電が長持ちしない場合の対策として、本来はスマホを買い替えるのが理想的ですが、すぐにそれができない場合は応急的な対策としてモバイルバッテリーを使用するのが有効です。
ただし、モバイルバッテリーは荷物が多くなりますし、飛行機に持ち込めないこともあるなど意外な不便さもあるので、やはり応急的な手段として使用するのが望ましいでしょう。
4-3.スマホの買い替えを検討する
バッテリーの劣化が進んでいるスマホは、おそらく購入から2年以上が経過していることと思います。スマホのライフサイクルが2年を目安としているのはバッテリーの寿命だけでなく、処理速度や記憶容量、新しい機能への対応などの面も含めたものです。また、古いスマホは最新のOSにアップデートできないこともあるため、セキュリティ上の問題を抱えたままになるリスクもあります。
充電が長持ちしないとお感じなのであれば、この機会にスマホを買い替えるのが望ましいでしょう。新しい機種であれば十分なバッテリー容量があると思いますが、数値的には3,000mAh以上あれば問題なく使用できます。
5. バッテリー交換を検討するときに注意するポイント
すでに電池の性能が劣化してしまっているという人は、電池の買い替えや、予備電池を検討していることでしょう。ここでは、その際に注意したいポイントをまとめます。
5-1. 安心して使いたいなら純正品!
スマホのバッテリーは、純正品以外にサードパーティー製があります。しかし、価格の安いサードパーティー製は、一般的に電池が膨張したり液漏れしたりという故障要因が発生する可能性純が正品と比べて高いとされており、それによる故障についてはメーカーの保証対象外となってしまいますので、注意が必要です。純正品を利用するのがトラブル回避の対策となります。
5-2. 内蔵型はキャリアショップで交換修理
最近の機種には、電池が内蔵されたタイプもあります。そうしたタイプは、キャリアショップへ持ち込み、交換してもらいます。
6. iPhoneのバッテリーについて
6-1. バッテリーの電力消費を抑える方法
これまでAndroidで解説してきた事柄と同様のことが、iPhoneにもあてはまります。Appleのホームページによれば、フル充電〜放電を500回繰り返すと、バッテリー容量が元の80%までしか充電できなくなってしまいます。下記の電池が減ることへの改善方法を全て試しても状況が変わらないのであれば、バッテリーの寿命が考えられます。
iPhone バッテリーを長持ちさせる方法
- 最新バージョンのiOSにアップデートする
- 熱による影響を防ぐために、熱がこもりやすいケースから外す
- iOS 9以降の場合は低電力モードを有効にしておく
- 画面の明るさを調整する
- プッシュメールをオフにする
- アプリのプッシュ通知をオフにする
- 位置情報サービスをオフにする
- Wi-Fiをオフにする
- Bluetoothをオフにする
- 「視差効果を減らす」をオンにする
- バックグラウンド更新をオフにする
- 長期間の保管前は50%程度充電しておく
Androidの改善方法をご覧になった方なら、改善方法のほとんどはiPhoneも同じであることが分かると思います。ここで取り上げたiPhoneのバッテリーを長持ちさせる方法の設定・手順の詳細はAppleの公式ページにありますので、そちらをご確認ください。
なお、Android同様、機能をオフにすることで使えなくなるサービスが出てきます。設定変更する際はご注意ください。それぞれの機能が不要な時にこまめにオフにするという意識が有効です。
6-2. iPhoneのバッテリー交換
iPhoneのバッテリー交換は、携帯キャリアでは対応してくれません。Apple Store直営店、iPhoneのサービスプロバイダ、Appleオンライン修理サービスが窓口となります。
費用は機種により異なりますが5,400円(税抜き/2021年現在)から7,400円です。詳しくはAppleのiPhoneサポートページにまとめられています。
なお、iPhoneを修理に出す際には中に保存されているデータのバックアップをしておく必要があります。バックアップの方法については「iPhoneの3つのデータ移行方法と、失敗しないための準備と手順」で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。
7. まとめ
スマホのバッテリーが早く減ってしまうのは、主にバックグラウンドで動くプログラムや、画面の輝度に電池が消費されているからだといえます。その設定を改善すれば、減るスピードを抑制することができるはずです。
また、充電を繰り返すことでバッテリーは劣化していくので、意識して充電回数を減らすことが、電池を長持ちさせるコツです。逆に充電しながらスマホを使用したり、充電器につなげっぱなしにすることはなるべく避けた方がよいでしょう。
ここで紹介した内容を駆使すれば、バッテリーを長持ちさせることができるようになるでしょう。
※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。
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