IPアドレスとは? | 関連セキュリティ情報やIP確認方法

IPアドレスを他人に知られることにそれほど大きなリスクはありません。その理由を、IPアドレスの基本から解説します。また、IPアドレスの確認方法も解説します。

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IPアドレスっていったい何?IPアドレスを他人に知られると何か問題があるの?という疑問や不安をお持ちの方は多いと思います。

IPアドレスはインターネット上の住所に相当するもので、「住所」という言葉の響きから重要な個人情報であるという印象になりやすく、他人に知られることに不安を感じる方が多いのは事実です。

結論から述べると、IPアドレスを他人に知られることにはそれほど大きなリスクはありません。なぜそう言えるのかという理由を、IPアドレスの基本から解説していきますので、この記事でIPアドレスについての疑問や不安を解決してください。

1.インターネットとIPアドレスの仕組み

1-1.IPアドレスとは

IPアドレスのIPとはInternet Protocolの略で、私たちが日常的に利用しているインターネットで通信を可能にしている規約のことです。IPアドレスとは、そのインターネットの通信規約に基づいたアドレス(=住所)のことです。

インターネットに接続されるデバイスは、それぞれが通信をするためには自分の場所を特定できるようにする必要があります。なぜなら、自分に向けて発せられたデータ通信が正しく自分に届く必要があるからです。そのためインターネット上の住所はそれぞれのデバイスが固有のものである必要があり、その役割を果たしているのがIPアドレスです。

1-2.ネットワークの構造とIPアドレス

インターネットは、地球全体を覆う巨大なネットワークです。その巨大なネットワークに直接接続しているのがプロバイダで、一般ユーザーはそのプロバイダに接続することでインターネットを利用しています。

それぞれのプロバイダ業者は固有のIPアドレスを持ってインターネットに接続し、一般のユーザーはそのプロバイダから割り振られたIPアドレスによってプロバイダ経由でインターネットに接続しています。

1-3.グローバルIPとローカルIP

IPアドレスには、大きく分けて2つの種類があります。1つ目はグローバルIP(パブリックIP)アドレスで、もう1つはローカルIP(プライベートIP)アドレスです。

グローバルIPの「グローバル」とは地球のことなので、地球規模のインターネット上で自分を特定するためのIPアドレスを指します。それに対してローカルIPとは社内や自宅内LANなど限られたネットワーク内でデバイスを特定するためのIPアドレスです。

簡単に言えば、インターネットに接続するのに使用するのがグローバルIPで、LAN内で使用するのがローカルIPということになり、簡単に図式化すると以下のようになります。

左側の「インターネット」を大本とした場合、中間がプロバイダ、グレーの中は家庭内やオフィス内など、LANで接続されたネットワークです。点線はWiFiでの接続を表現していますが、有線、無線にかかわらずLANでは固有のローカルIPが割り振られています。

1-4.IPアドレスのバージョンと枯渇問題

インターネットはますます発展を続けており、接続されるデバイスの数も増え続けています。IoT社会が本格的に到来すれば、その数は爆発的に増えるでしょう。そこで懸念されているのが、IPアドレスの組み合わせが足りなくなるという、いわゆる枯渇問題です。

現在主に利用されているIPアドレスは、IPv4という方式が採用されています。その書式は、以下の通りです。

000.000.000.000

この「000」という数字には、0~255までの数字が入ります。つまり、0.0.0.0.から255.255.255.255までの組み合わせがあるということです。この組み合わせ数は、約43億通りです。IPv4のままだと、IPアドレスは約43億個までしか発行できないことになります。ネット接続端末が増え続けることにより、IPv4によるIPアドレスが足りなくなるというわけです。

そこで考案されたのが、IPv6という新しいIPアドレスです。これは天文学的な組み合わせ数があるため、枯渇問題の解決に有効であるとして一部で導入が始まっています。ただし、IPv4とIPv6が相互に通信をすることはできないため、世界的な切り替えにはかなりの時間を要するでしょう。

1-5.固定IPと変動IP

プロバイダに接続をしてインターネットを利用している場合、そこで割り振られるIPアドレスは変動IPであることが普通です。プロバイダから割り振られたIPアドレスは一時的なもので、一旦接続が切れると再び接続した時にはその時点で空いているIPアドレスが割り振られるため前回と同じであるとは限りません。このようなIPアドレスのことを変動IPと言いますが、一般的なネット利用であれば特に支障はありません。

変動IPだと支障が生じるのは、サーバーを運用している場合です。サーバーには外部からアクセスをするため、その住所であるIPアドレスが毎回変わってしまってはサーバーに接続できなくなってしまいます。それを解決するのが固定IPで、固定IPを使用している場合は一度接続が切れても再び同じIPアドレスで接続されます。

サーバーを運用している場合は必須の固定IPですが、ネット上の住所が固定されているということは、悪意を持った何者かに狙われやすい側面を持ちます。個人でネット利用をする場合は、むしろ変動IPの方が狙われにくいので安全度が高いと言えます。

1-6.自分のIPアドレスを知る方法

1-6-1.ローカルIPアドレスを知る方法

自分が使用しているデバイスのローカルIPアドレスを知る方法は、以下の通りです。

【Windowsの場合】
Windowsのコマンドプロンプト(直接コマンドを入力するモード)で「ipconfig」というコマンドを入力すると、現在接続しているローカルIPアドレスを知ることができます。

コマンドプロンプトは、Windows各バージョンのスタートメニューからアクセサリの中にあります。コマンドプロンプトの黒いウインドウが開いたら、「ipconfig」と入力してENTERキーを押すと、以下のように結果が表示されます。


赤い線を引いたところに表示されているのが、IPv4のローカルIPアドレスです。この場合だと、「192.168.1.2」です。

【Macの場合】
Macで自機が割り当てられているローカルIPアドレスを知るには、左上のアップルメニューから「システム環境設定」を選択、その中にある「ネットワーク」を開きます。

ネットワークウインドウの右下にある「詳細」をクリックして、上にある「TCP/IP」のタブをクリックします。

ここで表示されているのが、IPv4によるローカルIPアドレスです。

1-6-2.グローバルIPアドレスを知る方法

前項はWindows、Macそれぞれで自機のローカルIPアドレスを知る方法でしたが、次にグローバルIPアドレスを知る方法を解説します。グローバルIPアドレスは外部のサイトを利用する必要がありますが、ネット上にはグローバルIPアドレスを無料で確認できるサイトがあります。

いくつかある中で、ここでは有名な「確認くん」というサイトを使ってみたいと思います。

⇒ 確認くん

上記のURLにアクセスをすると、現在接続しているグローバルIPアドレスが表示されます。

余談ですが、それ以外にもたくさんの情報が確認できることにも注目してみてください。ブラウザーやOS、接続しているプロバイダの名前も見て取れます。これらの情報は環境変数といって、インターネットに接続するにあたってこちらから発信している情報です。これだけで個人を特定できるわけではありませんが、あたかも個人を特定できそうな印象を受ける情報も含まれているため、これらの情報を表示することでアクセス者に対する心理的な脅しをかけて金銭をだまし取るワンクリック詐欺に悪用されるケースが多々見受けられます。

2.IPアドレスを他人に知られるとどうなる?

2-1.IPアドレスから分かること

私たちがインターネットを利用するためには、プロバイダに接続させてもらう必要があります。そこからIPアドレスを割り当てられるため、IPアドレスから分かるのは「どこのプロバイダを利用しているか」というところまでです。

固定IPのサービスを利用している場合はそのIPアドレスを他の人が使う予定がないので契約者を特定しやすくなりますが、それでもプロバイダが契約者の情報を開示しない限りは契約者の特定には至りません。

IPアドレスは公開情報のひとつなので、第三者に知られたとしても特に問題はありません。

2-2.IPアドレスを知られても問題がない3つの理由

2-2-1.IPアドレスから個人は特定できない

前項で述べたように、IPアドレスだけで個人を特定することはできません。1-6-2で解説したように、環境変数として公開されている情報です。どこのプロバイダを利用しているのかが分かる程度なので、IPアドレスを知られたために即セキュリティ上のリスクが高まるというところまでは考えなくても良いでしょう。

2-2-2.ルーター経由だと攻撃されにくい

インターネットに接続する場合、家庭やオフィス内にルーターを設置してそこにデバイスを接続するのが一般的です。ルーターを介した接続は同時に接続できるデバイスの数を増やせるというメリットだけでなく、ルーターが外部からの攻撃に対して防御壁の役割を果たしてくれるというメリットもあります。

グローバルIPで接続しているのはルーターであり、ルーターの配下に接続されているPCやスマートフォンなどのデバイス群はルーターから割り当てられたローカルIPを使用しています。

つまり、グローバルIPを知り得たとしても個々のデバイスに直接アクセスすることはできないので、IPアドレスを標的とするのは攻撃者にとっても効率が良くありません。

2-2-3. 通常、IPアドレスは固定ではない

特に固定IPの契約をしていない限り、一般的にグローバルIPは接続するたびに変動します。第三者が知り得たIPアドレスに対して何らかの攻撃をしようとしても、一旦ルーターの電源をオフにして接続を切り、再び接続すると違うIPアドレスに変わるのでターゲットから外れます。

この方法はご自宅やオフィスでも実験することができます。1-6-2でご紹介した「確認くん」で現在のグローバルIPを確認した後で、一旦ルーターの電源をオフにして、再びオンにしてみてください。接続が完了してから再び「確認くん」を見てみると、先ほどとは違ったIPアドレスになっているはずです。固定IPサービスを契約していないのにルーターの電源を再びオンにしてもIPアドレスが変わらない場合は、偶然同じIPアドレスで再び接続が確立したものと思われます。

2-3.大切なのは端末のセキュリティ

IPアドレスを標的とした攻撃を心配する人は少なくありませんが、簡単に知り得る情報であり、前項までに述べた理由の通り個人の特定ができないことやサーバーを運用して固定IPを使用するなどしていない限り変動するものであるため、隠すことにはあまり意味がありません。

むしろ、それよりもお使いのデバイスそのものを様々なセキュリティリスクから守ることのほうが重要です。

スマートフォンのスクリーンロックは当然のこと、セキュリティソフトを導入して常に最新の状態にしておくことや、OS、アプリなどのアップデートを行って最新の状態に保ち、脆弱性をなくしておくという基本をしっかりと押さえておきましょう。

3.IPアドレスに関するセキュリティの心構え

3-1.セキュリティソフトを導入して最新の状態に保つ

可能性は高くないとは言え、グローバルIPアドレスを標的にした攻撃のリスクがゼロではないことを踏まえて、セキュリティソフトの導入しておくことは有効です。セキュリティソフトを導入して常に最新の状態に保っておくことは、そのような攻撃以外に対しても有効な対策となります。

3-2.端末をネットに直接接続しない

複数のデバイスをネット接続している環境ではルーターが設置されていると思いますが、例えばば自宅にPCが一台しかなく、それだけが接続できれば良いという場合はルーターが不要だと感じることがあるかもしれません。

例えばルーターを使用せずPCを直接ネット接続すると、そのPCのグローバルIPがそのままデバイスを特定できるIPアドレスになってしまいます。

こうなると、個人は特定されずともPCは特定されてしまう状況になるためセキュリティ上好ましいとは言えません。たとえ自宅にPCが1台しかないという場合であっても、セキュリティ上の観点からルーターの導入を強くおすすめします。

近年はスマートフォンをWi-Fi接続するケースが多いこともあり、プロバイダーと契約する際にルーターが貸与されるケースが多々あります。よって、ネットに直接PCを接続するような環境はレアケースと言えるかもしれません。

3-3.不審なサイトやリンクへのアクセスを控える

不審なサイトやリンクにアクセスをしないというのはウイルス対策などでもよく言われるセキュリティの基本です。

サイト管理者はアクセスログからアクセスしてきたクライアントのIPアドレスを知ることができますが、近年は各所を経由してサイトに接続されるケースが多いため、アクセスログに残るIPアドレスの情報を元に攻撃が開始される可能性は非常に低いと言えます。

しかし、不審なサイトへのアクセスやスパムメールに含まれるリンクのクリックはあらゆるリスクの糸口となるため「君子危うきに近寄らず」の精神で安全なネット利用を心がけましょう。

3-4.不用意に個人情報をネット上に書き込まない

グローバルIPアドレスを含む、様々な個人情報を掲示板やSNSなどに書き込まないのもセキュリティの基本です。一度拡散してしまうと回収することができない上に、詐欺や攻撃といった犯罪行為を助長する情報になる恐れがあります。
公開情報であるIPアドレスよりも、個人情報を知られるリスクがはるかに高いので、不用意にネット上に書き込まないという意識を大切にしてください。

4.まとめ

IPアドレスはインターネット上にある固有の住所であり、このIPアドレスがあるおかげでインターネットはそれぞれのデバイスで情報通信が可能になっています。とても便利な仕組みであるだけに、IPアドレスを第三者に知られることに不安を感じる方が多いのも無理はありません。

しかし、IPアドレスは誰でも容易に知ることができる公開情報であり、それを知られただけですぐにセキュリティ上のリスクが発生するというものではありません。

この記事で解説したIPアドレスについての正しい知識を参考に、安全で快適なネットライフを楽しんでいただければと思います。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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